第44回歌を歩く 和歌山「紀淡海峡」 深山砲台跡は格好のハイキングコース
最高気温が8℃という寒い1日であった。2025年の1月17日、Sさんが運転する車に同乗して和歌山・紀淡海峡の旅に出た。海峡が一望できる休暇村紀州加太でこの日のナビゲートを務めてくれた柴谷進・登美子さん夫妻と待ち合わせた。和歌山在住の2人は紀淡海峡とは縁の深い歌手入山アキ子さんの親戚中の親戚でもある。一緒に休暇村で昼食。ボクはランチメニューの中から足赤海老ラーメン(しらす丼付き)を頼んだ。
休暇村から見えるのは紀淡海峡に浮かぶ大小の島々と、それを背景に船が行き交っているのどかな風景である。
海峡では関西国際空港が建設される以前は鯛が豊富に獲れたという。漁船の床は鯛で真っ赤になったと言われるほどであった。ところが空港開港後は海流に変化が生じ、漁獲量は激減したらしい。
環境は変化したが鯛は今でも加太の名産のひとつである。鯛出汁をふんだんに使った鯛ラーメンも加太名物になっている。休暇村ではかつては鯛のあら煮と鯛ラーメンをセットにした昼食メニューも提供していたほどである。
レンガ道のハイキングコース
昼食を済ませると深山砲台跡へと足を向けた。春になると桜の花が満開になり、レンガ舗装された山道を歩くハイキングコースとして親しまれているが、ここは明治時代から太平洋戦争終結まで、大阪湾へ侵入する敵国船から守る砲台が置かれていた場所である。
紀淡海峡にある友ヶ島の砲台跡も知られているが、深山砲台跡は船で渡ることなく行ける、手軽に歴史遺産に触れることができる。
頂上まで進めばそこは明石海峡大橋や淡路島まで見渡せ、紀淡海峡が一望できる展望台なのであった。
戦争を感じさせる遺産ではあるが、その風景からは悲惨な戦争のイメージは薄らいでいる。
坂また坂
深山砲台跡を後にして、今度は淡嶋神社へ足を伸ばした。ここは婦人病の治癒から安産・子授け・裁縫・人形供養など、あらゆる女性に関することにご利益があると言われている。
そんなことから沢山の人形が安置されているし、針塚も建っていた。
この後、学問の神を祀った和歌浦天満宮と徳川家康が祀られた紀州東照宮を廻った。いずれも急で長い石段があり、登ると呼吸が荒くなってさすがに歳を感じてしまう。
ちなみに静岡の久能山東照宮の石段は1159段あるが学生の時にこれを体験した。中学の修学旅行で行った日光東照宮は1445段ある。ここ紀州東照宮は108段というから、3つの東照宮の中でも最も少ないのだが疲れる。
しかも和歌浦天満宮で50段の石段を登った直後でもあり、東照宮では脇にある緩やかな石段を選んで登った。
最後に和歌山マリーナシティを散歩して、マルサンの和歌山ラーメン食べ郊外のカフェでコーヒーを飲んで和歌山の日帰りツアーを締めた。
(Music news jp 曽崎重之)
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