2024世界人工知能(AI)大会・AI世界ガバナンスハイレベル会議、7月4日から7日に中国の上海市で開催

2024世界人工知能(AI)大会・AI世界ガバナンスハイレベル会議(WAIC)が、7月4日から7日に、中国の上海市で開催された。大会・会議事務局の発表によると、上海世界博覧中心を会場とし、500社以上が出展した。新たに開設されたロボットエリアでは、書道ロボット、ツボ押しマッサージをするロボット、衣類をたたむロボットなど25種類のヒューマノイドロボットが展示された。

米テスラはヒューマノイドロボットの第2世代「Optimus Gen 2」を出展した。Optimus Gen 2は直立歩行を基本とし、初代に比べ歩行速度が30％向上した。また10本の指には触覚センサーを搭載し、扱いに注意が必要な卵をそっとつかめるだけでなく、重い箱を運ぶこともできる。テスラはこのロボットを人間の代わりとすべく、人間の動作を真似てバッテリーの仕分けを訓練するなど、自社のEV工場で試験的に使用しており、来年は1000台以上を導入する計画とのこと。

中国のスタートアップである宇樹科技(Unitree Robotics)社は、ヒューマノイドロボット「H1」と産業用四足歩行ロボット「B2」、消費者向け四足歩行ロボット「Go2」を展示した。H1はその場で宙返りができる完全電動人型ロボットで、高さ180センチ、重量50キロ以下、歩行速度は3.3 m/s。360度デプス検知技術を備え、周囲の環境や距離を正確に感知する。独自開発した関節モーターを搭載し、最大トルクは360ニュートンメートル。

穹徹智能(Noematrix)社は、人間の動作を代替できるように、関節の柔軟性、柔らかい衣類のかたちを検知する能力、力加減や角度などに関して高いレベルを目指してロボットアームを開発している。今回の展示で、衣類をたたむ実証を行ったが、3分でようやく衣類を広げることができ、たたみ終えるまでにはかなりの時間を要した。

睿爾曼智能(Realman)社のマッサージロボットは、人間の身体について400種類以上のデータがインプットされており、目の前で横になっている人のツボの位置を自ら判断してマッサージする。また、力加減や温度、時間の調節、ユーザーに合わせたカスタマイズも可能で、例えば、腎臓の調子が思わしくないと感じているなら、腎経を重点的にほぐすような設定もできる。標準価格は1台12万元（約240万円）とのこと。

出典：
2024年7月16日付　ジェトロ ビジネス短信（日本語）
https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/07/02515f9456409539.html
2024年8月13日付　36Kr Japan（日本語）
https://36kr.jp/301158/