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日本市場で黒字実現したシリウスロボティクス社の倉庫内協働ロボット、中国で展開

2022年6月30日付の36Kr Japanでは、中国の物流業界におけるロボティクスに関して解説している。それによると、2018年には、Geek+社、Quicktron社、HIKROBOT社などの大手企業が、米アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)の搬送ロボットKivaを基にしたソリューションを導入した。しかし、中国企業が保有する限られた面積の倉庫では、このソリューションを導入するのに時間とコストがかかるという問題点があった。

これに対し、炬星科技(シリウスロボティクス)社は、棚を動かす代わりに、自律走行搬送ロボット(AMR)が商品の入る棚に作業スタッフを誘導し、スタッフが必要な商品を棚から取り出しAMRの箱に入れた後で一般的な仕分けエリアに運ぶという「ピッキングと同時に仕分けする」方式の協働ロボットを採用した。

同協働ロボットは、シャーシに自社開発の高性能センサーLiDAR、カメラ、ミリ波レーダーを備えており、中央に棚が設置され上部のタブレットPCがピッキング情報を表示する。また、自己位置推定とマッピングを同時実行する、レーザーナビゲーション「SLAM」を使用しており、導入時に現場を一周するだけでタブレット上に倉庫の2D平面図が作成され、各棚、荷箱及び通路の具体的な位置を確認できる。倉庫システムに接続した後、AMRはリアルタイムの注文状況に基づき最適な走行ルートと仕分け順序を計算する。同社のピッキングソリューションは、人手だけによる倉庫に比べ効率が2〜5倍向上した。さらに、同社のソフトウェアシステムによるデータ管理では、商品が棚に置かれるたび各々の商品の最小管理単位(Stock Keeping Unit(SKU))の配送状況を把握して仕分けプロセスを最適化できる。

同社は、当初日本と韓国市場で事業を展開、三菱商事などで導入され、2021年の世界での出荷台数は500台を超え3年連続で黒字を達成した。そして、2021年になって中国で事業を開始している。2000万ドル(約27億円)を調達した最新のシリーズBの資金調達ラウンドでは、動画投稿アプリTikTokを運営する字節跳動(ByteDance)がリード・インベスターとして出資した。

出典:
2022年6月30日付 36Kr Japan(日本語)
https://36kr.jp/191711/