米MIT、ロボットのピックアンドプレース操作性を向上させるフレームワーク「SimPLE」を開発
2024年6月26日、米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究グループは、ロボットシステムによるさまざまな物体の正確なピックアップと配置を可能にする、視覚と触覚を組み合わせた手法「SimPLE(Simulation to Pick Localize and placE)」を「Science Robotics」誌に発表した。
この手法は、シミュレーションを活用して、物体のCAD(コンピュータ支援設計)によってロボットを訓練するもので、その目的は、自動化産業にとって重要な、無秩序に配置された物体を組織化された構成に変えるという課題を解決することである。SimPLEは、タスク認識把持モジュール、視覚・触覚知覚モジュール、計画モジュールの3つの主要コンポーネントで構成されている。これらのコンポーネントは、安定した対象物の選択、視覚と触覚の融合による正確な位置特定、対象物の配置に最適な経路の計算をそれぞれ行う。この手法は、さまざまな形状とサイズの15種類の対象物でテストされ、ピックアンドプレース操作の精度と汎用性の面で既存の手法を上回る結果を示した。
シミュレーションで学習し、実際のやり取りを必要とせずに既知の物体の形状を利用できるこの手法は、学習プロセスを大幅に高速化する。SimPLEの有望な結果は、自動車や医療研究所などの産業における自動化の向上を示唆している。今後の課題は、より複雑なタスクに対応するためのシステムの操作性と頑強性を高め、センサーの観測に基づいて継続的に行動を適応させるクローズドループソリューションを開発することである。
出典:
2024年6月26日発行 ScienceRobotics(英語)
SimPLE, a visuotactile method learned in simulation to precisely pick, localize, regrasp, and place objects
https://www.science.org/doi/10.1126/scirobotics.adi8808
2024年7月24日付 TechXplore(英語)
https://techxplore.com/news/2024-07-based-method-robots-reliably.html