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観戦!12月1日 B3 さいたまvs岐阜[酔狂自己満籠球備忘録(SJBB)#35]
さいたまブロンコス、東京羽田ヴィッキーズ、(たまにアルバルク東京)を応援している凡人バスケファンが、自分のためだけにバスケをいろいろ語りまくる気まぐれ連載企画、酔狂自己満籠球備忘録(SJBB)。今回は12月1日に行われた、さいたまブロンコスのホームゲームvs岐阜スゥープス第2戦の参戦記。読んでいただけたら幸いである。
どうでもいいお知らせではあるが、臨時で投稿した前記事で、今まで主としてきた「ですます調」を、いわゆる「である調」に変えてみたところ、なんだかこっちの方がしっくりきて書きやすいぞ、という気づきがあった。今後また改める可能性もあるが、今回も「である調」を続けてみるのである。
12月1日 所沢市民体育館
快晴。隣の小学校のイチョウの木が色づき、とてもきれいであった。とくに写真などはないのだが。
会場の敷地内にキッチンカーが4台。今シーズンは充実している。テーブルと椅子も設置され、良い気候なので外で食事を楽しめる。
インドアスポーツの興行において、会場周辺に「何かやってる感」を醸し出すのはとても重要である。今シーズンのクラブの努力をこのあたりに感じる。方向性は間違っていない。
今節を前に、西武鉄道とのオフィシャルパートナー契約締結が発表された。ビッグ企業との結びつきはとても喜ばしいことである。
あれも、これも、かなう。
この繋がりを活かして所沢開催が増えてくれたら嬉しいし、B1北海道のエスコンフィールド開催が注目されている中、ブロンコスもこれを機に、まさかのベルーナドーム開催にチャレンジしてみるのはいかがだろうか。いろんな意味でスリリングである。
ライオンズと並べて妄想するのもおこがましいが、ブロンコスのポスターが駅構内や車内に掲示されたり、ラッピング電車が登場したり、将来的にそんな展開も期待したい。
さて、本題に戻るが、筆者は凡人なりに戦術の理解を深めたいと日々思っており、今回の観戦に向けても、限られた時間の中でそれなりのスカウティングを行い、準備を進めてきた。誰の参考にもならないかもしれないが、自己啓発の一環として、当記事でも凡人なりの戦術論に触れたいと考えている。見当違いのことも書くかもしれないがご容赦いただきたい。
以前、公式アカウントによるXのスタメン発表投稿について、カッコいいけどわかりづらい、と一丁前にイチャモンをつけたことがある。その声が届いたというわけではないと思うが、この試合の前にはなんと、グッズでスタメン発表という斬新なポストが投稿され、とても嬉しかった。ぜひ続けてほしい。
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まず、いきなり試合結果から入るが、残念ながら前日に続き敗戦となった。
前節の試合や前日の第1戦のブロンコスを観ていて、やはりインサイドの安定が必要だと感じていた。つまりミルコ・ビエリツァの奮起に期待したい、と思っていたので、ライアンとミルコのスタメン起用は嬉しかった。
そしてなんと言っても佐藤文哉である。今シーズンはプレータイムも短く、直近の2試合はDNPだった男が、負けられない1戦でスタメンに抜擢された。
前日の試合は岐阜にスリーポイントを打たせるディフェンスをしていたように見えたが、3番ポジションの卜部選手のスリーポイントが高確率で決まってしまい序盤苦しんだ。川邉選手のスタメン起用はそこを止める狙いがあったのだと思った。
1ピリは同点。前日の試合は岐阜のオールコートディフェンスにボール運びも苦しめられたがそこも修正できていた。インサイドも安定していたし、佐藤文哉は見事にスリーポイントを決めて起用に応えた。得意のディフェンスでも絶妙なポジションをとっており、さすがであった。
しかし2ピリで離されて6点ビハインドで折り返し、後半一時追いつくが逆転には至らず、無念の敗戦となった。
岐阜は試合を通して常に攻守の切り替えが速い。ブロンコスのオフェンスは、岐阜のディフェンスに上から当たられて、フロントコートにボールを運ぶまでに時間とエネルギーを消耗してしまう。それがボディーブローのように終盤に効いてくる。2戦目はやや改善されてはいたが、2試合とも終盤に失速する要因となった。
岐阜はディフェンスからオフェンスへの切り替えも速く、ブロンコスのディフェンス時は簡単にシュートエリアまで運ばれてしまう。それを止める術として、ディフェンスのスペシャリストを入れてボールマンにプレッシャーをかけるとか、オフェンスリバウンドに参加せずに、シュートを打ったら全員バックコートに下がって守るなどの策は考えられると思うが、ブロンコスは「特別なことは極力やらない」を優先しているように見えた。
後半も同じメンバーでスタートしたが、すぐにポイントガードを0人にする布陣をとった。たまにやるが、これがなかなか好きである。相手のポイントガードがファウルトラブルとなり、こちらに佐藤文哉が入っていたこともあって、相手が高さを出そうとしてきた場面だった。そしてこの「ノーガード戦法」で一時同点に追いついた場面はこの試合いちばんの激アツポイントであった。勝利に繋がらなかったのは残念であるが。
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岐阜スゥープス
昨シーズン18勝34敗の14位に終わった岐阜だが、今シーズンはここまで10勝8敗、プレーオフ圏内の7位と躍進している。
今シーズンからの新ヘッドコーチは小林康法氏。名古屋ダイヤモンドドルフィンズで7年アシスタントコーチを務め、キャリアを積んだ後に岐阜のヘッドコーチに就任。もともと岐阜出身だと知ると応援したくなる。なんと泉秀岳と同じ1991年生まれ。地元のチームを率いているところも共通している。うーむ、やはり負けられない相手であったか。
攻守の切り替えの速さと、オールコートで当たるディフェンスというスタイルを確立して好成績を残しているし、そのスタイルに合う選手を獲得できているという点が大きいだろう。ハンター・コート選手のように核になれる選手もいるが、特定の選手に依存するのではなく、しっかりタイムシェアしながらチームバスケットでたたかえている。
留学生枠も使っていて層も厚い。この日の試合ではサンブ・アンドレ選手が後半躍動し、チーム最多の19得点。シーズンハイの活躍はブロンコスにとっては想定外だったと思われる。EFFは28。
ディフェンスは全員でハードワークし、スピードを活かす、というスタイルは湘南や山口も同様で、ここ数年でB3のレベルを一気に押し上げる主要因になっているのかもしれない。それにともなってハードワークできる外国籍選手がB3のレベルでも増えていると感じている。喜ばしく、誇るべきことである。
さいたまブロンコス
さて、ブロンコスである。進化を続けるB3に完全に乗り遅れている。兆しは見えてきていると感じていたし、岐阜は勝てない相手ではないと見ていたが、まさかの連敗となってしまった。
なかなか勝ちパターンが見えてこないので、毎節相手にアジャストしながら勝利を拾っていくしかない状態である。ひとつの勝利が劇薬になることもあるかもしれないし、美しくなくてもいいから勝利をもぎとってほしい。そしてホームで勝ってほしい。
昨シーズンと比べるとビッグマンが少ないロスターになったことが、やはり大きく影響しているか。インサイドの選手の負担が大きくなっていることで、シューターに良いパスが届いていない、という現象も起こっている気がする。フリーで気持ちよくシュートを打つシーンが少ない。
ビッグマンを補強する策があるとしても、今のメンバーを否定することはしたくない。このメンバーで勝てると目論んでいたのであれば、勝てる方向に持っていくしかない。
コート上の選手たちが自分たちの判断でオフェンスを組み立てて、最適解を見出していく、というのが今シーズンのブロンコスのスタイル。とても難しいチャレンジで迷走してしまっているようにも見えるが、やるしかない状況である。スペーシングとか、ボールを持ってない選手の動きを明確にし、期待値の高いシュートを増やしていきたい、と凡人ブースターは考える。試合終盤でKJが立て続けにゴール下でフリーでパスを受けるシーンが印象的だった。百戦錬磨のベテランにはしっかりと見えているのかもしれない。
行き詰まったときに個で打開したり、ファウルをもらってフリースローで加点したり、というシーンも増やしていきたい。そして攻守でハッスルするしかないのだが、あまり暗くならずに、楽しんでもらいたい、というのがいちばんの願いである。
昨シーズンもジョーダン・フェイゾンが加入するまではうまくいっていなかった。今シーズンだってまだまだここからだと思っている。ブロンコスは常にチャレンジャーであることを忘れてはいけない。選手たちもブースターも。
吉田健太郎と秋山熙、ポイントガードのふたりが試合終盤に相次いで負傷。心配ではあるが、楽しみでもある。今池翔太の大ブレイクにも期待したいし、こんな時こそ志冨田温大だろ、とも思う。そしてノーガード戦法という策もある。難しい状況の時こそ面白いし、応援したくなる。次節は配信での観戦となるが、しっかりスカウティングして臨みたい。
あれも、これも、かなえ!
たみぞーの熱唱について
さて、この日のもうひとつの名場面を作ったのは、MCのたみぞー氏であった。
ミスチルの大ファンだというのは知っていたし、試合中あるいは試合前に発する言葉の随所にミスチルの影響を感じていた。
試合前の、会場を盛り上げる1曲のコーナーで、この日は熱い語りの曲紹介の後に、ミスチルの名曲が流れた。そしてなんと、観客を盛り上げながら、たみぞー氏が歌い始めた。この公開ひとりカラオケは、紛れもない公私混同であった。しかも、けっこう上手かった。そして歌詞をしっかり憶えているのはさすがであった。
残念ながらこの熱唱を勝利に結びつけることはできなかったが、彼の想いを会場にいた誰もが受け止めたはずだし、いつか報われると信じて、今記事を結びたい。
いいことばかりではないさ
でも次の扉をノックしよう
もっと素晴らしいはずのブロンコスを探して
本日も読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、脳内でたみぞーの声に変換しながらお聴きください。
Mr.Children『終わりなき旅』