理系にこそ役に立つ?ボスマネジメントの発想
「ボスマネジメント」を実践すれば職場が楽しくなります。この言葉、知られているようで意外と知られていませんし、実践的にどうすれば?というところもありますので、記事にしてみました。
ボスマネジメントとは
ハーバード・ビジネス・スクールのジョン・コッター教授が1980年に提唱しています。
なるほど、google booksで検索すると、「部下」でヒットした書籍が約286,000件に対して、「上司」は229,000件でした。世の中には「部下」の立場の人の方が多いであろうことを考えると、確かに、相対的に「上司」との関係構築は、あまり重要視されていないのかもしれません。
「上司が何もやってくれない」という発想
私が職場で、「上司が何も考えてくれない」「上司が動いてくれない」というセリフを他の人から聞くと、「ああ、堂々巡りが始まってしまうな」と感じてしまいます。
そう話すことで、単に憂さ晴らしをしているだけであれば良いのですが、当の上司に対して行動を変えて欲しい、と思っているのであれば、これほど効果のない方法もないのでは、とすら思ったりします。
もちろん、その上司がとても柔軟性の高い人であったり、上司に対してかなり強固に主張をしていけば、「一時的には」変わるのかもしれませんが、継続した変化を望むのは難しいのだと思います。三つ子の魂、百まで・・・
理系に特に必要な理由
私は、理系職にとってボスマネジメントは特に重要なのではないか、と思います。
もちろん、理系以外にとってもボスマネジメントは重要ですが、ここで言いたいのは、理系職は自分の身の置かれた状況に対して、その重要性にあまり気づけていないのかもしれない、ということです。
上司への向き合い方 3つのポイント
ボスマネジメントについても幾多の書籍がありますが、その中から、最大公約数的に3つのポイントを抽出してみました。
① 依頼や要請には基本的にYesと言う
人は否定をされてしまうと、基本的に悪感情を抱きます。私自身も、精一杯考えてお願いしたことに「No」と言われると、頭では分かっていても、やはり感情が波打ちます(笑)。
「ちょっと無理な要望だな」と思いつつも、まずは「Yes」と言って、そこから、「期限内に完了するにはどうすれば良いか、一緒に考えていただけますか」ですとか、「ここの部分のクオリティは今回に限って落としてもいいですか」ですとか、「AさんとBさんに手伝ってもらっても大丈夫ですか」など、相手の要望をかなえるためのこちらの要望を伝えます。
② 上司の好き嫌い・価値観を理解する
人の能力発揮・行動の背景には、好き・嫌いの感情や、価値観が存在します。一回限りの仕事相手ですと、相手が予想もつかない行動を取っても、その背景は、ぼんやりとした推測しか叶いませんが、中長期的に仕事をする上司であれば、話はまた違うはずです。
会議や面談での言動、メールの文章、何かを報告した時のリアクション、色々な場面から、上司の好き嫌いや、価値観をうかがい知ることはできます。それを、自分の中に知識として蓄積できれば、「これを話したらこういった反応になるだろうな」と推測でき、摩擦を生むようなやり取りの数は減らせるようになります。
③ ネクスト・アクションで上司の期待値を超える
仕事をしていく上で、上司の期待値を超えるのは、なかなか容易ではありません。要請に対して、質や量の面で期待を超えるのは・・・この忙しい世の中では難しいでしょう。
そこで、相手の期待を一歩先回りして、「この場面で、こういったサポートがあれば嬉しいだろうな」「この上司の立場だったら、資料にこういったひと工夫があれば見やすくなるな」という点があれば、頼まれずとも、それを先取りしてみることを試してみます。
上司の立場からすると、同じことをやってくれたとしても、自分の期待を先取りして叶えてくれると、嬉しく感じるものです。ハマれば、とてもコスパの良い方法になります。
まとめ 上司をマネジメントするには
「ボスマネジメント」と言うと、あたかも、人を操るような印象を受けがちですが、そうではなく、上司への向き合い方を変えていく、ということなのだと思います。
そうすることで、上司から自分への評価が上向きになってきますので、提案が通りやすくなったり、チャンスをもらえる機会も増えてきます。上司との付き合い方ひとつで職場での快適性も大きく変わってきますので、この「ボスマネジメント」という考えが、幅広く使われると良いと思います。
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