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感情は伝染する

 最近、あの人とコミュニケーションが上手く行っていない。どこでボタンの掛け違いがあったかもわからない。そんな苦しい中、その関係性にピリオドを打とうとしている方もおられるかもしれません。

 そういう局面にある方に、「どうせ、ダメもとです。最後くらいニッコリして、その人とお話してみませんか。」というご提案です。


私の大学院時代のエピソード

 私の大学院での指導教官は、少しだけ人付き合いが苦手そうな、必要以上に学生に厳しくしてしまうような、そんな、どこにでもいるような先生でした。先生に怒られるのが怖くって、学生はみんな、実験の相談事に挑むときには、硬直した姿勢で臨みます。

 学生同士で飲み会に行くと、自然と、先生の話題も出てきます。「この前、俺はこんな風に怒られた」「私も、いまだに話しかけるときには、緊張して手汗をかく」

 そんな中、一人だけ、先生と柔らかくコミュニケーションを取っておられる、博士課程の女性がおられました。その女性(Aさんとしましょうか)に、「Aさんは、何で先生が怖くないんですか」と聞いた学生がいました。

「先生は鏡みたいな人だから、笑顔で接すると、笑顔が返ってくるよ」

感情は伝染する

 「EQリーダーシップ(ダニエル・ゴールマンら著)」の一節に、「リーダーの感情は伝染する」とあります。リーダーは集団の感情形成に決定的役割を果たすそうです。

 あなたが笑顔になると、自然と、その楽しさや感謝の気持ちが相手に伝染します。会話の切り出しで、怒った顔で近づいてくる相手に、笑顔で応答しようと思える人は少ないはずです。

 親の機嫌が悪いと、子供の成績も伸び悩むそうです。そんなとき、「子供の」問題ではなく、「親御さんの」問題を解決して、親御さんが機嫌よく過ごすことで、子供の成績も上がりやすくなるとのこと。

 「何で、あの人は、自分に辛く当たるんだろう」そんな疑問の背景には、あなた自身が、その人に対して悪感情を抱き、表に出してしまっていることもあるのかもしれません。

蜂蜜が欲しければ、蜂の巣を蹴るな

 「人を動かす(D・カーネギー著)」の中の一節です。他人を変えたい、他人を改善したい、と思う前に、自分自身を変える方が、はるかにリスクが少なく、利益も大きくなります。

 人には返報性の法則がありますので、笑顔で接してくれる人には、笑顔で返したいですし、親切には親切でお返しをしたいと思うはずです。「相手が悪いのだから」と蜂の巣を蹴るような態度で人に接すると、蜂蜜は得られないでしょう。

まとめ

 さて、冒頭のように、最悪の関係の相手と、最後の話し合いをしようとしています。「本当は、この関係性をどうしたいんだろう」と悩んでもいます。これまでのように、悪感情をもって相手に接するか、もしくは、笑顔であることを選んで話し合いをするのか。

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