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コーチングに役立つ時間軸活用
コーチングってどう将来を描くのに役立つの?という方、そして、コーチングに興味のない方にとっても、将来を考えるうえでお役に立つかもしれない話です。
コーチングを学んでよかったことの一つに、将来への時間感覚が養われ、1年先とか、3年先とか、昔は考えるのが不得意だったのが、そうでもなくなってきた点があります。
他の方にセッションをしていても、「人によって、時間の感覚が様々だなあ」と改めて感じることが多々あります。今回は、そういったコーチングセッションのケースを幾つかご紹介します。特にケース3は、記事を書きながらの気づきも自分自身でありました。
ケース1 1年先を考えるのが初めて
「自分はこういった事をやってみたい!」と目標を持たれている方であっても、「では、1年先に、具体的に鮮明にイメージを描くとすれば、どうなるでしょう」とお伺いすると、「初めて、そういった事を考えました」という方が多数おられます。
考えるのが初めて、とのことですので、ちょっと、イメージを出すまでに幾ばくかのやり取りは必要なのですが、鮮明なイメージを得られた後には表情が一変して明るくなり、実現のためのアイデアを次々と出して頂けることに、いつも新鮮な驚きを覚えます。こういった事があると、「今日のセッションでは、将来について深掘りしてみて良かった」と、こちらも嬉しくなります。
改めて、私たちは中長期の未来について考える習慣もあまりなければ、そういった思考の枠の外に出ることに慣れていないのかも、と思います。
ケース2 30分前の自分と比べると
ある程度セッションが進んだあとに、「30分前と比べて、どうでしょうか」と伺うと、「こういう気づきがあって、違う考え方や物の見方ができています」と言っていただけるケースも数多くあります。要するに、私たちは30分という短い時間でも、「チョット成長」ができるんですね。
特に、心理技術に触れた経験があまりない人ほど、セッション中にこういった伸びを感じて頂ける事が多いです。この、「今までとは違う物事の見方」を、セッションの翌日以降も使っていただくことで、より成長の感覚を得やすくなります。
例えば、読書を30分した後に、「あれ、この30分は、どういった意味があったっけ」とご自身で振り返ってみるのはどうでしょうか。そういった気づきの積み重ねが、大きな成長に繋がっていく気がします。
ケース3 時を積み重ねていくと
一年後の目標を聞いただけでは実現可能性があまりにも見込めない場合に、「”このままのペースで”成長を重ねていくと、どうなりそうですか」とお聞きすると、目標にとても到達できない答えが返ってくることが多くあります。
聞かれた方も一瞬「なんでこうなるんだろう?」となるのですが、おそらく、目標設定をするときに、「ここまでは出来ないだろうなあ」という、若干引いた思いも半分くらい織り込んでいるのかな、と思います。
こういった事があると、目標設定は悩ましいなあ、と思います。おそらく、職場でも「かなり背伸びした目標」を要求されるような場面は多いのでしょう。そういったこともあって、高い目標設定をするときに、「到達できない自分」を既に想定して織り込みつつ、高すぎる水準を設定してしまっているのかもしれません。
それが恒常化してしまうと、結果として、やる気の低下や、常に「できない自分」を見続けることになるので、精神衛生上は良くないんだけどな、とも思ったりします。
まとめ
コーチングで時間軸の問いかけをしていく中での、自分なりの気づきを記事にしました。なかなか、自分自身で積極的に過去を振り返ったり、将来を想像することが、日常の中ではないと思いますので、ここはコーチングが強みを発揮できる分野の一つだと思います。