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【米国株】アナリスト&個人投資家の Red Cat Holdings, Inc (RCAT) への評価まとめ

今週のレビューでも記載した通り、以前分析した RCAT を購入しました。最新の評価を見るべく、足元で見た同社への評価(あるいは分析)の要旨を纏めました。

尚、本記事は、特定の銘柄や金融商品の購入や売却等を推奨するものではありません。投資に関する最終的な意思決定は、読者ご自身の判断と責任において行っていただきますようお願い申し上げます。


Kevin Mak 氏

企業概要

Red Cat Holdingsは、ドローンおよびドローン関連技術を専門とする小規模企業を買収・統合している企業で、その中核となる資産は2021年に買収したTeal Dronesです。Teal Dronesは米陸軍の「SSR(短距離偵察)Tranche 2」の選定プロセスにおいて勝利し、陸軍の主要な無人偵察プラットフォームとなる契約を獲得しました。この契約は5年間で約2.5億ドル以上、5,880システム(1システムあたり2機のドローン)を提供する内容です。注目すべきは、以前のTranche 1契約が1億ドル規模だったのに対し、Tranche 2は大幅に増加している点で、軍の投資意欲が高まっていることを示しています。

Tealの選定は、37社が参加する競争を制した結果であり、その製品の市場優位性を裏付けるデータポイントとされています。さらに、Teal Dronesは完全に米国製であり、中国製技術が信頼されにくい防衛分野での競争力を高めています。小型ドローンはウクライナ戦争を通じてその重要性が浮き彫りになっており、米軍の投資は依然として拡大の余地があります。

財務面分析

財務面では、Red Catの時価総額は約6億ドルで、昨年度の収益2,000万ドルから次年度には5,000万ドル、さらにSSR契約を加えると1億ドル規模が見込まれています。現在の売上高倍率(P/S)は6倍程度で、今後の契約獲得ペースによって評価が大きく変動すると予想されます。今後2年間のシナリオとしては、①一時的な成功に留まり株価が大幅に下落、②大手防衛企業に買収される、③収益を再投資し成長を続ける、の3つが考えられ、特に③のシナリオでは年間3~5億ドルの収益を達成する可能性があります。

リスク

リスクとしては、他の契約を失う場合やドローン市場の「熱狂」が冷める場合に、株価が現在の3分の1程度に下落する可能性があります。一方、契約の正式発表やNATO諸国での採用が進めば、株価上昇の触媒となり得ます。資金調達の必要性も懸念されますが、短期的には限定的と見られます。

結論

結論として、Red Cat Holdingsは高リスク・高リターンの成長株であり、特にTeal Dronesが市場での競争力を維持・拡大できるかが投資判断の鍵となります。


Lucas Downey 氏

Red Cat Holdingsは、ドローン業界向けにデータストレージ、分析、関連サービスを提供しており、政府や軍事機関向けのソリューションを展開する企業です。同社はドローン、センサー、サービスのエコシステムを提供し、特に偵察分野での運用を支援しています。最近では、Palantirとの提携を発表し、Red Catの無人航空機で同社のソフトウェアを活用する取り組みを進めています。

財務状況と収益動向

Red Catの2025会計年度第2四半期では、収益が24%減少しましたが、これは生産体制のシフトと新製品開発への注力によるものです。同社は5.7百万ドルの現金を保有しており、新たに資金調達ラウンドを完了。また、新型ドローンシリーズで1,470万ドルのコミットメントを獲得しました。

株価と投資家動向

Red Catの株価は過去1年で約1,600%上昇しており、その背景には機関投資家による強い需要があります。MAPsignalsのデータによれば、RCATの株式には異常な買い圧力がかかっており、これは「Big Money」投資家による買い付けの結果とされています。特に、1年間の売上成長率が286%、3年間では54.2%と高い成長を示しており、また負債比率も5.2%と低く、健全な財務基盤が株価上昇の後押しとなっています。

注目ポイントと将来予測

Red Catは、MAPsignalsのトップ20レポートに複数回ランクインしており、これは大きな成長可能性を示す指標です。同社の株式は、異常な取引量と強力な資金フローが特徴であり、これらは過去の株価急騰を支えた要因でもあります。記事では、Red Catの株式が多様なポートフォリオに組み込む価値がある可能性を指摘しています。

結論

Red Cat Holdingsは、成長率の高い売上と健全な財務構造を持ち、機関投資家の強い支持を背景に注目を集めています。特に、ドローン産業の需要拡大とPalantirとの提携が同社の成長をさらに加速させる可能性が高いと考えられます。


MarketBeat 氏

Red Cat Holdingsは、ドローン業界向けにさまざまな製品、サービス、ソリューションを提供しており、企業向けおよび消費者向けの2つのセグメントで事業を展開しています。同社はドローンフリートの管理、遠隔操作、狭小空間での運用、さらには危険な軍事環境での運用を可能にするインフラを構築しています。

株式パフォーマンスと財務状況

Red Catの株価は50日移動平均が8.22ドル、200日移動平均が4.50ドルで、時価総額は約9.48億ドル。2025年度第2四半期の業績では、1株当たり損失(EPS)が-0.18ドルで、市場予想を大幅に下回りました。同四半期の純利益率は-162.5%、株主資本利益率(ROE)は-66.19%といずれも負の数値を記録。年間予想EPSも-0.39ドルとされ、依然として厳しい財務状況です。

インサイダー取引

最近、取締役やCEOによる大規模な株式売却がありました。取締役のニコラス・リウッツァJr.は12月18日に約273万ドル相当の株式を売却し、その保有株式は32.57%減少しました。一方、CEOのジェフリー・トンプソンは12月23日に約445万ドル相当の株式を売却し、その保有株式は2.90%減少しました。これらの取引により、内部者保有株式は全体の21.5%となっています。

機関投資家の動向

機関投資家も同社株への関与を強めています。第3四半期には、Sanctuary Advisors LLCやWolverine Trading LLCなどが新たに株式を取得。また、State Street Corpは保有株を44.9%増加させ、総保有株数は22万1,958株に達しました。現在、株式の37.97%が機関投資家に保有されています。

分析と評価

Red Catは依然として厳しい財務状況に直面しているものの、同社のインフラ構築能力と市場ポテンシャルは評価されています。一方、最新の業績では予想を下回り、内部者の売却活動が目立つ点が懸念材料です。また、同社は市場で「買い」評価を受けているものの、アナリストの間では他の5銘柄の方が有望とされる見方もあります。

結論

Red Cat Holdingsはドローン業界での成長が期待される一方、現在の財務状況や業績の不安定さ、内部者売却などの要因がリスクとして存在します。同社の成長を見据えた投資は、機会とリスクを慎重に検討する必要があります。


Seeking Alpha 情報

アナリストの評価比較

基本的には「買い」が優勢です。

出典:Seeking Alpha

競合他社との株価推移比較

ライバル企業と比べても価格の下落幅が大きくリバウンドが期待できると考えます。

出典:Seeking Alpha

昨年末時点の米国ドローン業界分析はこちら。


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ネイト
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