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信仰と為政者

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どんな国でも町でも村でも“祈り”がある。旅の祈りとの出会いは、自国では気づかなかった人間の弱さ、残酷性、愚かしさ、そんな人間を助ける仲間、絆、信用の大事さを気付かせてくれる。1983年リオ、グランデ、ドスル州の世界文化遺産に選定された場所にきている。ブラジルとアルゼンチンの国境沿いに“グアラーニュのイエズス会”の修道所群の廃墟がある。ここに来ると南米大陸における開拓者の歴史、為政者の侵略の歴史がわかる。17世紀のキリスト教の伝道活動のすさまじさも知ることになる。奴隷商人によって捕らえられていた“グアラニュー族”をかくまい共同生活をさせていたが、スペインが“イエズス会の追放”を命じたため、その命令は遠くこの地まで徹底され、教会も取り壊し、村は廃村となる。いまは日干しの赤レンガの廃墟だけが残るこの街は飛行場から遠いためか観光客も少ない。為政者はどんな理由をつけてでも人の心まで支配しようとする。世界の歴史は祈りと支配の残酷なたたかいだ。

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国境沿いに住む人はマテ茶をこよなく愛する。ガウショーの街はシュハスコの発祥地として知られている。ガウショーはスペイン人と先住民族その他の民族との混血。マテ茶を飲む習慣も、グアラニー族に由来するもので。州の住人は“ガウショー“と呼ばれ、パンパ地域に定着した牛飼いの牧童と牧場主にちなんでなづけられた呼び名である。この地域の、郷土料理、野菜に肉を煮込んだプッジェーロ,シーフードを煮込んだものはカルディラーダとよばれるものがあるが、これは美味しい。

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