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心理カウンセリング序説 その8 精神分析の始まりと見解、ノート

放送授業を聞いて、テキストを読んで、じぶんなりにまとめたものです。

第8章 精神分析の始まりと見解

謎のヒステリー症候群

19世紀にヒステリー症候群という、謎の病気が医師たちの間で話題になっていました。それは突然見えない聞こえない動けない、あるいは人格の変化や突然痛くなったり、全く痛みを感じなくなったりするのに、体には特に大きな変化は無いのです。

ヒステリーはギリシャ語で子宮という意味で、子宮の不調が原因と考えられていました。しかし男性の症例が発見された事で変わります。めちゃくちゃ差別的ですよね。

メスメルの動物磁気とラポールの発見

これの治療法として、なぜかマッサージや冷水、催眠が効果がありました、なかでもメスメルは磁石で体を擦ると良くなることから、動物磁気説を提唱しました。ところがある時この磁石の棒がなくても手を当てるだけで、症状が良くなることに気がつきました。患者と医師の間で心のつながりがあると治療できてしまう。それをラポールと呼びました。

心理療法には、加持祈祷のようなものもあるとする井上円了(1894)の説もあるのですが、これは心理的な理論に基づかないので、心理療法とは言わないと考えられています。

ブロイヤーによるアンナ・Oの症例

ヒステリーの研究で有名なのは、ブロイヤーのアンナ・Oの症例です。彼女はさまざまなヒステリー症を持っていました。コップから水が飲めなくなった症状について催眠をかけて探ってみると、嫌いな召使が犬にコップから水を飲ませているのを見てとても嫌だと感じ、そしてコップを見ると気持ちが悪くて飲めなくなってしまったのでした。そしてこの催眠による告白の後、コップから水が飲めるようになったのです。

また彼女は様々な症状があったのですが、メスメルとおしゃべりをするとするとスッキリして症状が治る事に気がつきました。このおしゃべりを療法が後のカタルシス療法、そしてカウンセリングへと発展していきます。

このように催眠療法は劇的な効果があるのですが、本人が原因を自覚しないままに解消してしまうことから、セラピストに大変大きな依存を引き起こしてしまいがちでした。さらにこの頃には治療枠と言う考え方がなく、大変優しいブロイヤーは夜昼なくにアンナ・Oを献身的にお世話し、彼女は彼に強く依存し、離れる事ができなくなり、治療を中断せざるを得なくなりました。しかしその後アンナさんは激動の人生を歩みながら80何歳かでご長寿全うしたそうです。

ブロイヤーとフロイト

ブロイヤーとこの症例を一緒に検討したのがフロイトでした。フロイトは大変な音痴なため催眠療法がへたくそで患者さんが全然催眠にかかってくれなかったそうです。なので違う方法を考えました。それはカウチにゆったり座ってリラックスし、好きなように連想してただただ話してもらうという、自由連想法というものです。

間違った事や話しにくい事こそが手がかりになる

その中で正しい事実ではなく、間違ったことや話しにくい事が、心的外傷の手がかりとなることに気が付きました。嫌な事は考えたくないものですよね。この逆転の発想でぐっと心の世界に近づいたのです。

また当時荒唐無稽だと言われていた夢の分析からも、心のあり方を探ることができることを見つけました。

この頃、第二次世界大戦が始まりフロイトたちユダヤ系の精神科医はアメリカへ亡命。

性的欲求がその人を形作るリビドーと言う説、生まれた時の無意識と他者との関係から生まれた超自我、それが拮抗して自我と言うものができるという説、ヒステリーに対して体ではなく、心が原因であると言う心因と言う概念を作り出したこと。

フロイトは大変優秀だったので弟子がたくさんいたのですが、他説を絶対に認めないと言う頑固なところがあり、皆にげてしまいました。

二者心理学へ

フロイト後で重要な概念に対象関係論があります。他者がいて自分がいてそして心があると事から二者心理学とも呼ばれます。

現在のカウンセリングでは、クライアントの話を聞き、セラピストである自分の心の変化など2人の間に生ずる現象を観察しながら進めていきます。

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