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メガネ店🆚アップルカスタマーセンター

普段はコンタクトなのだけど昨年、メガネを新調した。

久しぶりのメガネ店で、楽しくフレームを選び、最新の機械で最適なレンズを選択してもらい、指定された時間に受け取りに行く。

ここまではすこぶる順調であった。

メガネってものは受け取る時にかかり具合をちょっと調整してくれたりする。

みるとコロナのころからそうなのか、店員さんは白い手袋をしている。
高級宝石店みたいなところでしてそうな、布のやつ。

「ちょっと失礼します。」
と言って、店員さんが

メガネを

大事そうに顔にかけてくる。

白い手袋って自分が宝石になった気分になるから注意。メガネが大切。メガネが大切。

ちゃんと鼻の中心にかかるようにと店員さんの顔つきは真剣そのものである。

コロナがあったからか、ここまで人の顔が近づくことはなかなかない。

ここで、私は突然メガネチェックしてくれる人が人生初で男性であることに気がついてしまった。

いかん!タイプとかタイプじゃないとか関係なくこれは緊張してしまう。

ストーップ!思考よ止まれ!
この妙な緊張絶対に店員さんにバレたくない。

次に、メガネのツルのかかり具合を調べることになる。

「ちょっと失礼します。」
近づいた白い手袋が、優しく(当たり前である。引っ張ってはイカン。)髪の毛を両耳にかけた。

痛恨のミスである。メガネ店に行くのに髪の毛はくくるべきであった。
私は恥ずかしくて死にそうだった。

店員さんは相変わらず真面目な顔で
右耳、左耳と顔を近づけて確認し、
「違和感はありますか?」
などと聞いてくる。
「ないです!快適です!!」
違和感などどうでもいい。
脳内がおかしくなってるから早く終わってほしい。

「では鼻あてはどうでしょう?」
手袋がツルを抑えた状態で、顔が正面から近づいてくる。

ちょっとまじか?ムリだ!
こういった場合この人の真顔をこちらは真顔でみ返すのが普通なのか?
視線を上か横にずらすのか?
いっそのこと目はつむったほうがいいのか?
ダメだ。それじゃ学園ドラマのキスシーンみたいだ。
硬直して目が点になってる間になんとか終わった。

メガネの調整でドキドキして死ぬかと思った。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

この話を先日2年にいっぺんくらい喋りまくる中学時代の友達にしたら、
「相変わらずアホだねー!」
と大喜びされた。

そうして彼女は心ゆくまで私をバカにした後に
「でもちょっと気持ちわかるわぁ。」
と言い出した。

そうそう。
それそれ!
そうこなくちゃ!

私は急いで聞く姿勢に入った。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

聞けば彼女の家にはご主人や子供のぶんも含めていくつかのアップル社製品があり、それぞれが彼女の思惑と外れて勝手に同期し始めて訳がわからなくなってしまったらしい。

そこで彼女はかの親切で有名なアップルカスタマーセンターに電話した。

担当者は、機械に弱く全てのパスワードを覚えていない彼女の困りごとに耳を傾け、カタカナにも弱い彼女にもわかるように懇切丁寧にいくつかの指示を出し、それでもうまくいかなくてもなんども折り返し電話をかけてくれて辛抱強く対応してくれ、その問題が解決したときは一緒になって喜んでくれたという。

「むーっちゃ優しい。思えば私は長らくこんなに人に親切にしてもらったことがない。パスワードも全部忘れてるのに文句も言わない投げ出さない。アップルのお店じゃなくて電気屋さんで買ったやつもあるのにすみませんって謝ったら。いえいえ大丈夫ですよ。○○さんのお宅のアップル製品は全部僕が面倒みますから、お困りごとがありましたらいつでもお電話くださいだって。名前教えてくれてん。」

「どんな人なんやろう。きっと頭いい人なんだわと想像してさぁ。」

うんうん

「アップルカスタマーセンターどこにあるんやろ?って検索してみてん。」

へー!

「大阪にあるかと思いきや東京でさー。東京かぁー。遠いなぁーって。」

ハハハハ!

どっこいどっこいの
くだらない話
できる友達って最高!

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