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大河ドラマ44回「望月の夜」 一部感想

印象的なシーンが多かったけれど
3つの「引退」が重なっていたので
そこに注視したい。

3つの「引退」の一つ目はまひろの父の出家宣言。在家なので特に生活は変わらないが、まひろも充分自立し、賢子も成人したので、なんの心配もなくなった。家のリーダーの地位を降りるということだ。
活躍の場がないということをわりとあっさり認めていて、嬉しくもありさみしくもあるけれど、幸せな引退宣言のように思えた。

二つ目は三条天皇。持病で政事が困難ではあったが、まだできることがあると在位しようとしたが、皆の説得に応じる形で悔しい気持ちを抱きながら退位した。

三つ目は道長。孫の摂政をしつつ、左大臣もやっていたら、「欲張りすぎだ。降りろ。お前のためを思って言っている。」と言われてしまった。自分が三条天皇にしてきたことと同じ肩たたきにあう。道長は己が三条天皇に譲位を迫ったときの心境を、自分に向けられた言葉に当てはめるだろう。少しガックリきていたようだが、たまたま父が隠居宣言したばかりのまひろのリアクションも良く、わりと抵抗少なめで決心できた。

まだまだやること満載で、できることがあるんじゃないかというときに進言を吟味して、引退して良かったんじゃないだろうか。

道長の代わりに息子の頼道が摂政となる。おおはりきりである。おおはりきりでいきなり威子に甥っ子の後一条天皇に嫁がせることにする。
亡き三条天皇に嫁いだ妍子と合わせると、いきなりの大皇太后 皇太后 中宮のコンボ出現。ロイヤルストレートフラッシュ✨。

威子の結婚は頼道だからできたとおもう。道長がやると娘たちから総スカンをくらうけど、新人の頼道がやるとまだドン引きする程度な気がする。

力のあるうちは、人間どうしても頑張りたくなってしまうけれど、年寄りがいつまでも第一線で頑張りすぎると、後継が育たない。

思い切って隠居して、姫に感謝しおなぐさめし、若者は遠くから応援するということをはじめるのは悪くない。

会社でいえば、社長から会長になるのではなく、相談役くらいがいいのではないかと思う。

相談にこればいくらでものってやるというのは、それまでの経験が自然に生きることでもあるし、後継を育てる。

今の世の中は生涯現役みたいな考えが主流だ。
生涯第一線で活躍することも素晴らしいけれど、食べるに困らなければ、一歩引いてみるとまた違った活躍ができる可能性があるような気がした。

話は変わるが、ふと感じたこと。
「よく頑張りましたね。」
「それで良かったんじゃないでしょうか。」
というのは、近い人が言ってしみじみとした味わいが出るのには、長い時間がたって振り返るような場合な気がするし、その瞬間に言って味わいがあるのは、すこし離れた場所からずっとその人をみている人であるような気がする。
「これでよかったよな?」って
望月の歌を詠んでから
まひろのほうをみて確認する
道長。
あれは私もこれで良かったってまひろもなった気がします。



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