同じ月を見上げて
2週間おあずけだった大河ドラマ「光る君へ」31話。良かったです。
いつも言ってますが、どこもかしこも良いのです。
今回は「月」に焦点をあててみたいです。
帝の心を政治と娘に向けるため、枕草子に負けない物語を書いてもらうために、自分がずっと心の拠り所としている女性である、まひろを訪ねてきた道長。
帰りが遅くなって、2人で月を眺めるシーンがとても素晴らしかったのです。
注目ポイント
月は太陽の光を反射して地球に届けています。
つまり月は鏡みたいな存在です。
まひろが描く物語のために、宮中の様子に加えて自身の身の回りも話し終えた道長。
(まぁ、誰にも言ったことはないけれど、家庭も仕事もけっこうごちゃごちゃしてて周りが考えてるほど自分はうまくいってないって内容です。)
遅くなってしまった道長をまひろは見送りに2人で外に出ます。
道長は月を見上げながらこんな感じのことを言ったんです。
「今自分が見てる月を、あの人も見てるかもしれないってやってこれた部分がある。」
横でまひろも月を見ながらそれを聴きます。
月が道長の想いを反射させてまひろに届けています。
まひろはこれは自分へのメッセージだとちゃんとわかっています。
2人の思いがちゃんと通じているなとわかった瞬間、雲が現れて月を隠してしまいます。
そしてその通じた瞬間のことを2人ともうやむやにしておいて、仕事の礼をいってお別れします。
大変美しいです。
道長が門のところで、一瞬振り返ったので、またわちゃわちゃしだしたらどうしようかとおもいましたが、今回は2人とも大人で、契ることもありませんでした。
今後も長編の物語を書くことで2人は会うことができるのですから、2人のこのやり方を私は大変好ましくおもいます。
道長は自分の子ども達のことばかり考えている奥さん(これも仕方がないことです。)2人とうまくいってません。ついには会社(?)に寝泊まりするようになってました。
ここでまひろに手を出してしまったら、道長はまひろも失います。
自分のものにしてしまわないことで、かえって失うことがないのです。
臆病のようにも思えますが、私はそれだけではないとふんでます。
情熱的な道長も好きですが、私は自分の精神のバランスをたもちつつ、自分の心も打ち明けて、相手への思いやりを示せる道長を真剣に素敵だと思いました。
身は重ねないけど、お互い引力は感じあう。
そしてお互いそれを口にしない。
協力して物語を作ることや、昔のエピソードにちなんだ最高の和紙をたっぷり用意することなどで2人はそれを表現します。
まひろは賢すぎてちょっと面倒くさいですが、拗らせてるところも、道長は好ましく思ってくれています。
まひろも自分でちょっと面倒くさい女だなってわかってて、まあそれでもいいかとできることをやっています。
今回は月のおかげでとても素晴らしかったです。
普通の感想になってしまいました。
それではみなさん良い1週間を過ごしましょう💕。