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安珍清姫の終わり方
道成寺の安珍清姫の話をなぜかまた読みたくなった。
清姫目線で。
イケメン安珍が熊野詣に来たときに清姫は猛烈アタックを仕掛ける。
私が読んだ話はけっこう激しかった。清姫、夜這いしちゃってます。
こんな話↓
修行中の安珍はピンチを切り抜けるため、熊野詣が終わったらまた来るからねと嘘をつき、別ルートで帰路に着く。
ことの次第を知った清姫は、怒って死んでしまい、蛇に姿を変えて、安珍が途中潜伏する寺を突き止め、寺の結界をものともせず乗り込んで、鐘の中に隠れた安珍を蒸し焼きにしてしまう。
はっきり言って痛快である。
ところがこのまま読み進めると、2人は供養の末、蛇の姿から解放されて忉利天と都率天に生まれましたとなってめでたしめでたしとある。
なんかつまんない。
私は気に入りの終わり方はないものかと他の話を漁りはじめた。
簡単に見つかった。
能の「道成寺」。
安珍の代わりにこちらは山伏になってたりする。
女に追われて山伏が逃げ込んで鐘もろとも焼き殺されたことがある寺。
新しい鐘を取り付ける時に白拍子がやっくる。供養のために踊らせろという。
白拍子は踊っている間に鐘に潜り込む。(ステップは反閇のはず。)
開けてみるとそこには蛇に姿を変えた女がいる。これはまだ女の情念が残っていると僧侶は判断する。
闘いの末蛇は自らがあげた炎で自らを焼いて川に入って身を隠す。
こっちのほうが断然怖くて
断然いい。
蛇は死体を発見されていないところが気になる終わり方なのだ。
めでたしと考えることも、まだ川に情念が残っていると考えることもできるこの終わり方が私は気に入っている。
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