ショッピングモール
夏休みがやってきた。
子どもの欲望につきあい
涼を求めて
自分はたいした
目的もなく
ショッピングモールを彷徨う。
降りのエスカレーターにのっていると
降り口を精一杯のおめかしをした女子中学生の群れがふさいでいる。
ああ夏休みだなと思う。
どうやってあそこを子どもと
すり抜けようかとぼんやり考えていると、
集団は向きを変えていってしまった。
何か話し合った様子はない。
誰がリーダーという感じもなかった。
私は魚の群れのようだと思った。
ショッピングモールが水槽のように思える。
私と子どもがたいした意味もなくただようクラゲのように思えてきた。
そう思ってあたりを見回すと、ショッピングモールは巨大な水槽のようにみえてきて、少し愉快な気持ちになる。
私はこのところの暑さに少しやられているのかもしれない。
危険なような心地よいようなこの感覚の中に
もう少し漂っていたいと私は思った。
ぶらつき終わって外に出ると、
突き刺すような直射日光と蝉の声
湿気を多く含む暑い外気が
一気に身を包み
私は夕飯の献立を考えはじめた。