🩷種まきは楽し🩷
ちっちゃな頃、私の育った家では
チョコレートがオヤツにでることはまれだった。
なんか母親のが手作りオヤツに凝ってたからだと思う。
今思うと大変な手間と愛情だが、私は友達の話す新発売の合成着色料バリバリのお菓子に興味津々だった。
そんな我が家である日、アーモンドチョコレートがオヤツに出た。
あまりの美味しさに悶絶しながら一粒一粒を大切に味わって、いよいよ最後の一粒となった時、私は大きな賭けに出た。
最後の一粒のチョコレートの部分だけ味わって、アーモンドを残したのだ。
私はアーモンドをチョコレートの種だと思っていた。
これを植えればきっとチョコレートのなる木が育つに違いあるまい。
母に許可を得て、私はそれを植木鉢に蒔いた。
待てど暮らせどチョコレートの芽は出てこなかったが、母があの時
「それはチョコレートの種ではないよ。」
なんて言ってこなかったことに
深い感謝を覚える。
種を蒔いてからそれを忘れるまでの時間は私にとって、とても豊かな時間であった。
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最近、F1の種子は発芽期間や生育期間が揃っていることを知った。
植物を安定的にに出荷したい場合、とても優れた性質である。
逆に考えると、固定種は発芽も生育期間も揃っていないということになる。
ダメかと思って諦めていたら、芽を出したり、後からぐんぐん大きくなったりするものがある楽しさがある。
発芽が数年遅れということもあるようだ。
人間は固定種のほうだろう。
同じ体験をしても、その時わかるものも後から気がつくものもある。
どうにも冴えないなと思っていても、大器晩成ってこともある。
すぐにわかってもらおうなんて思わないで、特別効果を期待しないで愛情のタネを撒き続けるといいよね。どこにもかしこにも。
愛情のタネを蒔く時も、将来どんな実がなるかワクワクするのは同じだな♪
今になって発芽してくる種たちを、自分の中にも見つけながら、私も種をまくつもり。
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