拝啓 深水さんへ
いつか、ここに書くことをあなたに伝えられることを、切に願います。
あなたのことが大好きです。あなたが優しいから、あなたがひとを見ていて、ひとに苦しんでいて、幸せになりたいと願う姿が好きです。
こうして書くと、本当にわたしは偉そうで、まるでわかったふうに見当違いをお披露目しているのです。それでも、好きです。
あなたが生きてきた世界が私とは違いすぎて、あなたが使う言葉も、考えている全てが思いもよらないのです。あなたともっと話すことができていたら、もしかしたら、いますでに共通を見つけられているかもしれません。
わたしがどうして、こんなにもあなたと話したいと思うのか、完璧にはわかっていません。あなたに期待しすぎていて、あなたなら理解してくれるかもと望んでいるところが、わたしのなかに少なからずあります。こんなに、人間らしいひとをあまり見たことがなかったのです。
人間に期待していて、失望することもされることも恐れて、深入りしないでいたら、大人になっても、ひとに感情を持つことが難しくなってしまったような。それでも、人間が好きなままで、必死に言葉を紡いでいるのです。心では深入りできないのに。
あなたが、自分に期待しながら諦めていて、諦めきれない幸せを希い、そこに存在を残そうとしているのだと、私は解釈しています。あなたは、自分を好きというより、あなたが好きなお前らが、あなたを好きだからという曲がった自己愛を感じます。他己愛によって、存在する自己愛をあなたは愛おしく思っていそうです。あなたの人間愛は深く、それによって、お前らを愛して、あなたを守っているように見えます。あなたの自己愛はあなたを愛するものではなく、あなたを守り、あなたと人間を繋ぐ唯一の感情のようです。
もう少し、考えようと思いましたが、わたしにはあなたを書く語彙も解釈も、そのなにもかもを間違っていると思ってしまいました。誠に申し訳ありません。もう少し、あなたについて知ることができたら、再び筆をとります。
欲を言えば、ここに書くのではなく、あなたに直接伝えられたら、そう願います。