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クリスチャンになった

5年前のまだ学校で他人を見て何かを羨ましく思ったり、誰かが後で気づいて恥ずかしくなるようないたずらをしてやろうと考えていたときから今の自分を見たら、驚いて崖から落ちるだろう。まあ冗談だけど。だって、この私が、この私を変えてしまうようなことに出会ったから。

神様が、ある人を通して私に訴えかけてきた。でもその時は気づかなくて、今思えば全ては過去のそれを通して今があるんだと信じている。

2023年の私はもうとにかく、日本語の「荒れ」を代表する人間だった。
まあそれは2023年より前から予兆はあったのだが。
仕事が休みの度にクラブへ行き、毎日お酒を飲みすぎ、睡眠時間と食事なんて二の次だった。いくらお金を使っても満足せず、何を買っても幸せになれず、極め付きは絶対に恋をしたくなかった。もう人が嫌になっていて私を好きになる可能性のありそうな人とは関わらなかった。たとえば物理的に恋愛に至らないような人、が私には軽くて心地よかった。これを軽い人と呼ぼう。

最初は同僚とクラブへ通って、最終的に一人で東京へ出掛けてその軽い人と
朝まで踊って飲んで楽しめた。そうしないと人生について、自分のこれからの希望、何なら希望がないことに気づいてしまうから。そうでもしないと仕事に行けなかったのだと思う。過去に挫けた経験から、仕事を続けるためならどうにでも自分でしてやろうと心の中でずっと燃えているものがあるのだ。

ある1月の寒い寒い渋谷で、私はまた軽い人と音楽とお酒を楽しんでいた。
その日は本当に酔いに酔い、歩けるのか分からず、自分がどの道を歩いてきたかも分からないくらいの日だった。きっと夜2時くらいで、仕事終わりで2時間かけて東京へ来て、メンタルもかなりぐらついていたがなぜかエネルギーは誰よりもあった。そのバーはうるさかった。本当にクラブなんだけれど、ただそこには世界中から旅をしてきた外国人が多くいた。私は外国人に話しかけるのが大好きで、その日も何だか話し始めたオーストラリア人の英語がアクセントが強すぎて分からず、諦めかけていた時綺麗なアメリカ英語が聞こえてきた。え?と思ったと同時に、このグループにアメリカ人いたのか、もっと早く知りたかったと思った。唯一英語が聞き取れる相手だったので、話し始めた。そんなには長くなかった。彼はインスタを聞いてきたのでまあ断る理由はないかと思い、交換した。帰り際彼がText me~とサラッと言ってきたことを朝、いや昼に起きて思い出した。
とりあえず何か送ってみようと思い、よく寝れた?とメッセージを送った。寝過ぎた、と15時に返事が返ってきてどんな日本での過ごし方だよと思った。

彼はお腹すいた?何か食べ行く?と送ってきたので、少しめんどくさいなーとは思ったが、いいよーと返した。まあまあそこからめんどくさくなって二日酔いですっぴんで着替えもなくて、車だけはあったので帰るか迷って会うことにした。
代々木がピックアップ地点と指定されたため車で向かって拾ったのだが、お互い名前を知らなかった。そこで初めて自己紹介をして何だか緊張したし、慣れない東京を出会って1日しか経たないアメリカから来た観光客と私の車の中で英語で会話をているというカオスな状況に結構私は動揺していた。
しかも、会う前に軽い人と美味しいハンバーガーを食べたのにお腹すいてる食べ行こうにいいよという私って、結構ひどくないか。
それで全く私はお腹が空いていなかった。隣にクラブが併設されているルーフトップバーみたいなレストランに行った。私はアイスクリームを頼んだ。彼は魚のメインディッシュを食べていた。そこで初めてしっかりとお互いのことを話し、その日は次の日仕事が6時からだったので車でまた2時間かけて帰った。
帰りに車で送った時、彼はハグしてもいい?と聞いてきたのでいいよーと返事をした。アメリカンだなーと、少し慣れない気持ちにもなった。

次の日、なぜか仕事中彼が頭から離れなかった。会う前はあんなにめんどくさくて帰ろうかとも思ったのに。
奇跡的に1月末は職場が閑散期だったので有給を取っていて私は休みばかりだった。もちろん全て東京に捧げるのだが。
次の日また東京行くよと彼にメッセージを送り、彼がお気に入りのバーがあるから一緒に行こうと言ってくれた。会う前なんだかソワソワして、私らしくないなとは思ったけれど、会ってみたら何だか安心するというか、ずっと前から親友だったような感覚があった。その日もバー、バーで出会った他の外国人たち、移動してまた違うバー、紹介されたいい感じのクラブ、にトントン移動して楽しんでいた。
私と彼は2日目の初めて訪れたクラブの角で飲んで踊っていた。そこでなぜか私は彼に、I like you! と叫んでしまった。驚くことに彼も同じことを言い返してきた。
そのままキスをして、その日は帰る必要がなかったので一緒に泊まって昼に起きた。その時点では軽い人と同じような展開だ。

その日の夜も同じバーに行き、クラブに移動して踊った。とにかくずっと一緒にいたかった。安心できて、でも何かを感じた。他に人にない何かを。
3日目も一緒に泊まり、4日目、5日目と彼の日本滞在最終日を迎えた。でも彼は延長してくれたので、もう1日一緒にいることができた。最終日お互いに体調が悪く、さすがに飲みに行くことはできなかった。早めに別れてその日もう一度夜に会えると思っていた。けれど彼の体調があまりにも悪くて会うことができずに次の日彼は空港に向かわなければいけなかった。
バイバイと言えなかった。でも逆にそれでよかった。絶対に悲しくなって泣いてしまうから。この数日間で私は彼をこんなにも好きになってしまい、彼もなぜか私のことをとても好きになってくれた。

そしてフライトの日、私は働いていて彼は離陸する寸前になぜか焦って電話をかけてきた。電話したことないのに。
電話番号を今すぐ教えて、離陸したらメッセージを13時間送れなくなるから、と。
なんて可愛い生き物だと思った。なぜかwhats appなら飛行機で使えるらしい。

そこからお互い夜更かしをしてずっとメッセージを送り合っていた。でも本当にアメリカに帰ってしまうことがとても悲しかった。私の正直な気持ちを全て伝えた。彼も本当に悲しいと、もう会いたいと言ってくれた。私は、ずっと気になっていた、他の人とは違う何か感じたものを、聞いてみることにした。
何だかあなたは私にとってスペシャルに感じる、何か違うものを感じる、でもそれは私にとって心地いいと。
彼は会っているときは教えてくれなかったけれど、アメリカに帰ってから教えてくれた。彼はクリスチャンなのだと。
私自身、キリスト教という存在は知っていたが周りに全くクリスチャンがいなかったため、何も知らなかった。その日から少しずつ電話の中でクリスチャンについて、家族の信仰について彼が積極的に教えてくれた。彼は東京での行動を後悔しているといった。なぜならクリスチャンなのに、神様から離れてお酒を飲みすぎたり、私と泊まったり、本当に改めなければいけないと言っていた。そのとき私は楽しかった思い出を忘れたいと言われてとても悲しかった。

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