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8.スタジアム建設と"お金"の話
はじめに
サッカークラブを後押しする受け皿として、全国的にスタジアム建設や構想が盛んになっている。
今回は、その建設に関わる「お金」の話。
20年近く経つスタジアムなどでは、物価上昇の影響もあり参考にしにくい為
長野、G大阪、北九州、京都などのスタジアムや計画中の広島の例に絞って、簡単にまとめてみました。
(あくまで、ネット情報です。誤りなどありましたら訂正します…)
果たして、熊本の場合は...
各所の例
長野Uスタジアム(長野パルセイロ 2015〜)
□収容人数15,491人
□小規模球技場を改修し、建設。
□改修及び建設費:約80億円
□財源内訳:国からの補助金34.4億円、市債32億円、県費5億、寄付金6億円、市の一般財源4億円を財源
吹田サッカースタジアム(ガンバ大阪 2016〜)
□収容人数39,694人
□FIFAの定めるW杯の施設基準を満たす。(国際Aマッチ)
□建設費:約140億円
□財源内訳:toto30〜35億円、法人寄付99億円、個人寄付6.2億円
□ふるさと納税制度を活用し、寄付者にもメリットを残す取り組みも。
□自治体に依存せずに、クラブが中心になって資金調達し建設したが、吹田市が所有する事で、固定資産税が不要となっている。
□G大阪のオフィシャルショップや、クラブの歴史ミュージアムが常設。
ミクニワールドスタジアム(ギラヴァンツ北九州 2017〜)
□収容人数: 15,300席(将来的に2万席まで増設可能)
□建設費:約89億
□建設費内訳:toto助成金30億、約60億は市債。
□PFI方式で、民間に管理委託。
□ラグビーワールドカップや花火大会、ロックフェス等の実積。
サンガスタジアムby KYOCERA(京都サンガ 2020年〜)
□収容人数: 21,623人
□建設費:約156億円
□建設費内訳:詳細確認できず(toto30億、寄付20億、残り100億が府?)
□1995年頃から、何度もスタジアム建設が計画されては、頓挫を繰り返す。そして凍結期間を経て、ようやく建設が決まる。
□環境保全問題、寄付金不足問題(実際には、建設費として20年分のネーミングライツ費用が、企業の寄付金に含めず報道されたとも…)等の壁もあった。
□商業スペース、ロッククライミング、大河ドラマ記念館(期間限定の為終了)、保育園、貸し会議室、バスケットコートなど、複合的な施設となっており収益性を高める為の工夫がされている。
□亀岡駅前とアクセスは良いが、京都市や亀岡市街地からは離れており、駅周辺の開発の糸口となる事を期待されている。
□ 一方で電車の本数・輸送量などに対して疑問もあるよう。立地的には、以前使用していた京極陸上競技場の方が良かったとの声もあり、集客にはやや不安の声もある。
(仮)広島サッカースタジアム(サンフレッチェ広島 2024年〜)
□収容人数:約30,000人
□建設費:270億円
□建設費内訳:国約80億、エディオン30億、マツダ20億、企業・個人寄付約16億、県・市100億円の推定
□年間来場者数310万人の見込み
□経済効果は20年で推定6760億円
□国、県、市の税収は344億円と推計。このうち県税は78億円の押し上げを見込む
まとめ
・建設費は、15,000人規模だと約100億程度か。用地取得費やスタジアムの機能によっては、200億を超えるスタジアムも。
・長野やG大阪、北九州の様に、新スタジアムで収容人数を増やすケースと、広島の様に縮小するケースがある。
・構想から着工まで4〜5年のものもあれば、30年近い長い年月や、困難を乗り越えて建てられたスタジアムもある。
・資金の内訳も様々であるが、ガンバ大阪やサンフレッチェ広島、京都サンガなど歴史や実績・母体企業のあるクラブであれば、寄付金も集まりやすいか。それ故かも知れないが、自治体の財布の紐は緩く無い印象。
・逆にこれからといった、北九州や長野などの振興クラブの場合は、寄付金は約1割程度。
・建設の際に、国やtoto助成金は約1/3〜1/5程度活用が見込めるか
・北九州のケースの様に、クラブ規模に応じて、初期費用を抑え、将来的な増設も可能にする設計も注目されている。(金沢の構想など)
・寄付金集めとしては、ふるさと納税制度の活用も有効な手段となっている。
・京都の場合は、ネーミングライツを直接建設費に充てるなどで、初期費用を軽減しつつ、ランニングコストは収益性のある取り組みで賄うことを目指している。
・また、広島のケースの様に、経済効果や税収変化、または雇用などの波及効果を算出し、地域に理解を求める事も重要。
最後に
構想〜建設までの実例が増えてきた事で、各所の取り組みを参考にできるようになってきています。
それにしても何十億とか、何百億とか言われても
壮大過ぎて、何だか目眩しますね…。
建設資金の内訳は様々。当然の事ながら、クラブや自治体の規模、財政状況は異なります。地方都市熊本の場合、およそ100〜150億ともされる建設費を、自前(寄付金主体)で賄うのは至難の業でしょう。その為、自治体の協力が必要不可欠となり、その財政状況が大きく関わります。
そんな中、ヴォルターズの新アリーナ構想、サラマンダーズの新野球場構想と、ともに建設に向けた動きがあります。競合はしたくはありませんが、それらの動きや取り組みも関わってくる事でしょう。
しかし、望まなければ降ってくる事はありません。
・・・「諦めたら、そこで試合終了ですよ(小声)」
県のホームページや、熊日の記事などによると
現在使用しているスタジアムの問題や、全国的なスタジアム建設が活発化している状況について、県も認識はしている様子。
県は、震災からの創造的復興を掲げ、熊本駅周辺や、空港新ターミナルなどの再開発に取り組んでいます。また、半導体企業の進出にて、鉄道や道路、企業用地等の地域整備に向けた動きについても活発化しています。
県やクラブも、新スタジアム建設について
「いつかは...」という思いがあるのであれば
(あくまで持論ですが)
むしろ、改革の1つの柱として、スタジアム建設を念頭に置いた一体的な整備計画とする事で、地域課題解決に繋がる可能性も秘めているのではないかと思います。もちろん、慎重な調査・検討は必要でしょうが、取り巻く状況は変化する為、スピード感も重要な事だと思います。
多くの方の目に留まり
「ロアッソ新スタジアム建設!」の、議論のきっかけになればと願います。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました🙇♂️