11.スタジアム建設と"推進運動"(相模原の事例)
はじめに
各所で建設に向けた様々な動きがあります。その中でも構想に至るまで、どのような歩みがあったのかを、事例を通して考えていきたいと思います。
スタジアム建設までの流れをイメージすると、取り組み方が見えてくるかもしれません。
相模原の多機能複合型新スタジアム構想
□相模原市は人口およそ72万人の政令指定都市。(熊本市はおよそ74万人)
□神奈川県のJクラブは現在6クラブ
□相模原をホームタウンとする、サッカーやラグビー等4つのプロチームが、使用しているスタジアムは共有使用のため、市外の競技場で試合を行う事もあった。また、J1昇格をクリアする施設基準を満たしていない事などの問題もあった。
(ノジマ相模原ライズ、三菱重工相模原ダイナボアーズ、SC相模原、ノジマステラ神奈川相模原)
□現在使用している相模原ギオンスタジアムはJ2基準もみたしておらず、5年以内の建設を条件に2021年J2昇格を果たした。
□官民連携協議会の検討を経て、4チームを中心に著名活動を実施。およそ1年間で約10万4千筆もの著名を集めた(市内外・年齢不問)
□ 建設予定として、波及効果の期待できるJR相模原駅北口エリアに設定。
□スタジアムの役割を「スポーツ文化の振興」「地域のシンボル」「コミュニティ空間」「まちなかの集客拠点」「環境にやさしい」「地域の防災拠点」の6項目にまとめた。
□ その他の協力団体としては、相模原商工会議所、公益社団法人相模原青年会議所、一般社団法人相模原市商店連合会、一般社団法人相模原市観光協会、公益財団法人相模原市体育協会、公益財団法人相模原市民文化財団、公益社団法人相模原市防災協会など
まとめ
やはり、推進運動の旗振り役はプロクラブ。それに準じる形で各スポーツ協会や、協力団体を抱き込んでいく形になると思います。
また、著名活動における数字は重要でしょうが、目標値を設けて実施してあるようで、この数字にも根拠があるのでしょう。(広島の場合は、20万筆目標で約37万筆とも)ただ、著名活動をもってして決定打となるというより、市民が考えるきっかけとなったり、要望の高さをアピールするという、判断材料の1つに過ぎないでしょう。ただ、税投入となれば、民意を反映する為にも避けては通れないのかなとも思います。
おおまかな流れとしては
(※同時進行の要素もあると思います)
①要望の声・機運が高まる
↓
②クラブを中心とした推進委員会が立ち上がる
↓
③構想の公表や著名活動
↓
④県や市へ要望書・著名提出
↓
⑤自治体や協会などで検討協議会発足
↓
⑥議会等での検討
↓
⑦建設地決定・募金など
↓
⑧施工業者選定や計画案検討
↓
⑨起工〜完成
昇格の施設基準に関わるケースだと5〜6年。広島の場合は著名活動から、起工までおよそ10年。鹿島も10年後の完成を目指しているようです。
あとは、推進に向けて劇薬的効果として、あくまで仮定の話ですが、"J1クラブライセンスにおける施設基準の改訂(球技専用化)"でしょうか。スポーツ庁や、日本サッカー協会も推進の動きを見せてはいますが、さすがにどうでしょう。10年くらいの長いスパンでの提言であれば、反発も少ないかもしれませんが。
また、元広島のレジェンド佐藤寿人さんの様に、現役時代から選手が専用スタジアムを熱望する声を上げてくれたケースもあります。現在も、新スタジアムにおける広告塔の様な役割をされており、一役買われている様です。
雑感
新スタジアムは、クラブにとってもちろんプラスに働くはずです。ただ、推進活動が中々進まずにいるのには、それ相応の理由があるのでしょう。
しかし、そこを後押しするのはロアッソサポーターの声だと思います。現状では先程挙げた、①「要望の声、機運が高まる」の"前段階"でしょうか...。ここで足踏みしていては、何年、何十年待っても、話が先に進む事は無い様に思います。
県民の中には、批判的な意見も出て当然だと思います。サポーターの中にも懐疑的な意見もあるでしょう。
「あんまり騒ぐと、県民にネガティブなイメージがついてしまうのでは」という不安もあるかもしれません。
それでも私は、新スタジアムはロアッソや地域にとっても重要な役割を担う施設になると信じています。小さい声かもしれませんが、想いは口に出さなければ、伝わらない。推進に向けた後押しが出来るよう発信していきたいと思います。
多くの方の目に留まり
新スタジアム建設に向けた議論が活発になればと思います。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました🙇♂️