七尾百合子に贈る推薦図書5選
はじめに
ロコさん、七尾百合子さん、11thライブの主演公演決定おめでとうございます!
もう開催まで1週間を切りましたが、必ずいいライブにしましょう!私も風の戦士として、力の限り声を上げることを約束します。
ということで、わたくしミリオンの担当が七尾百合子でして。
どうして37人(担当決定当時)いるミリオンスターズの中から七尾百合子に惹かれたかというとですね、結局は本の虫というフックが大きかったのだと、今はそう思います。
本の世界に生きていた自分が、現実で主人公になるにはどうしたらいいのだろう。幼少期から本読みだった人間誰しもが幼い頃に考えたことを実現しようとするその勇気に惚れ込み、この娘を主人公にしたい、風の戦士の一人として一緒に戦いたいと思ったのです。
さて、私も幼い頃からの本の虫でして。
共通の趣味のPと担当、何も起こらないはずがなく……
そうです布教と感想会ですね。
ということで今回は!七尾百合子に贈る推薦図書と題しまして!
七尾百合子が現在15歳ということで、「自分が15歳までに読んだ中で、『この物語の主人公になれたら』と夢想した物語」というテーマで5つの作品を選びました!
皆さんが同じテーマで選んだ本と被ったなら光栄です!それではいってみましょう!
1.バーティミアスシリーズ
著:JONATHAN STROUD(ジョナサン・ストラウド)
訳:金原瑞人(かねはら みずひと)・松山美保(まつやま みほ)
【概要】
現代社会と同じようで同じでない魔法を中心に回っている世界。魔法使いが支配階級の椅子に座りふんぞり返る世界。
そして魔法使いには必須の技能がある。妖霊の使役だ。
妖霊を使わなければ、より強い魔法は使えない。そして妖霊にはランクや個体があり、妖霊は人間に隙があれば殺して自由になろうとする。強い魔術師ほど、強い妖霊を使役する。
全3巻と外伝で構成されるシリーズであり、1~3巻のシリーズでは、見習い魔術師ナサニエルとベテランのジン(5つのランクの内の3番目)バーティミアスの凸凹コンビの物語である。
2巻からは魔術師に対抗するレジスタンスの少女キティも加わって、魔法使いの世界の黒い部分に踏み込み、そしてクライマックスの3巻へと突入する。
外伝ではバーティミアスの過去の話が展開される。彼自身がナサニエルに自慢げに話していた冒険譚、しかしてその真相は……?
【おすすめポイント】
まずとにかく設定が細かい!ページを開けばその世界の専門用語が並び、その一つ一つにバーティミアスやその他キャラが語りかけるような口調で注釈をつけてくれます。これがまた面白い。特に序盤などは専門用語のオンパレードなので、没入体験としてこれ以上ない完成度ですね!
そしてキャラクターの魅力。魔術師ナサニエルは12歳にして高慢ちきな小僧で、2巻、3巻と時間が飛んでどんどん鼻持ちならないキャラに育っていくんですが、ギラギラしていて、野心家で、冷淡を気取っているけどどこかポンコツで憎めず、そして心の奥に熱いものを秘めているキャラクター。
相方のバーティミアスは、口を開けば皮肉かジョーク、それか自分の功績自慢。持前の技量でたいていのことは上手くやるけど、たまに致命的なドジを踏む。ナサニエルをなじりながらもずっと彼のやることなすことに振り回され続ける、まぁお節介焼きな部分もあります笑
この二人の掛け合いがずーーーっと漫才みたいで。シリアスにしていてもどこか締まらない。絵に描いたような凸凹です。基本はナサニエルが嫌がるバーティミアスを無茶させるのに、ナサニエルの足が止まった時にはバーティミアスが尻を蹴り上げる。理想のバディなんですよね、見た目の仲は険悪なのに。
魔法の設定が細かいおかげで描写が緻密で、かつ強キャラが本当に強くて読んでる側が勝手に絶望するんですよね。それを奇想天外な作戦だったり、お互いをどうにか信じてやってみた共闘で乗り越えていくのは、まさしく王道ファンタジーだと思います!
私が出会ってきた魔法ファンタジーの中では一番面白いと、胸を張っておススメできます!
バーティミアスと仲良く出来るか……?百合子さん、出来そうですか?
2.マチルダは小さな大天才
著:ロアルド・ダール
絵:クェンティン・ブレイク
訳:宮下嶺夫
【概要】
幼少期から本を読んでいて、星新一とロアルド・ダールを通らないことの方が難しいという持論を持っている私としては、七尾百合子は当然読んでいるであろうとした上で、
「じゃあロアルド・ダール作品なら何が好き?」
という話で私がお出しするのがこの『マチルダは小さな大天才』です。
評論社のあらすじが完璧でいうことがない笑
ひとつだけ。マチルダの人生は障壁もありますが、図書館なら司書さん、学校なら先生と助けてくれる大人がいます。ロアルド・ダール作品特有の親愛なる隣人ですね。
どんな理不尽でも脅威でも、子ども1人きりで闘わせたりはしないというロアルド・ダールの児童文学作家としての矜持が見られますね。
【おすすめポイント】
あらすじの通り、対両親と対校長の2編になっているのですが、どちらの大人もやっていることがまぁ悪どい。
父親の中古車販売でやっていることといったら、すぐに壊れるような工夫であったり、メーターの改造であったり、ちゃんとした犯罪です。
ただ、この機転であったり発想力であったりが豊かで、ちゃんとマチルダの父親なんだなということがわかってしまうのがとても複雑な気分になりますね。
愛してくれない親だけど間違いなく自分の親っていうのは、辛いものだなと思いながらも、マチルダに向ける悪逆非道があるのでちゃんとやり返されてスッキリする部分があります。
校長ですか?ぶっ飛ばして構わん。
こんな綺麗な悪役っているんですねって言うレベルの悪役が、掘れば掘るほどまあ悪いわ悪いわ。学校というギミックと、後半になってマチルダが手に入れたちょっと不思議な力でどう懲らしめるか?というところだけに集中させてくれるんだから、この校長のヘイト管理の上手さにこの年になって舌を巻いています。
ロアルド・ダールシリーズの好きなところとして、
・主人公がべらぼうにいい子(人)であること
・勧善懲悪だとかお仕置きだとかを描きながら、いたずら心を忘れないこと
の2つが挙げられるのですが、マチルダは本当にこれの権化みたいな作品ですね。1つ目だけだと『オ・ヤサシ巨人BFG』だとか、2つ目なら『チョコレート工場』シリーズだとか、個人的にマチルダより点数が高い作品はあるのですが、マチルダはトータルしてのお話の爽快感と触れ合う優しさがぴかいちだと思うんです。
そして何より、マチルダっていう少女は、大天才ではあるものの、ただ興味のままに生きていただけで、興味の向くまま生きていられればそれでいいのだと思っているところが、この物語の面白いところだと思います。
エイヤと冒険に足を踏み入れたのではなく、火の粉を振り払っていただけ、という。
でもそれが彼女にとっての一番のわがままなのかもしれませんね。
七尾さんにとってのわがままってなんですか?
3.ダレン・シャン
著:ダレン・シャン
訳:橋本 恵
画:田口智子
【概要】
言わずとしれたダーク・ファンタジーの金字塔であるダレン・シャン。
30代から20代後半の世代は学校の図書館の人気図書コーナーに常連として居座っていたのを見ているのではないでしょうか。
半バンパイアになってしまった少年の数奇な人生を描いた物語です。
「親友の命を救いたければバンパイアになれ」一握りほどしかないオレンジの髪に頬の傷というあからさまにヤバい見た目の男が、毒蜘蛛の解毒薬と引き換えに提示してきたのは、とんでもない条件だった。
ダレンはこれを受けて半バンパイアになるが、ずっと人間としていきてきたのだ、人の血なんて飲めるはずもなく……
様々な出会いを経て、ダレンはバンパイアとして成長していく。新たな友人、恋、一緒に戦う仲間、師、そして宿命の敵。
ダレン・シャンは全12巻。3冊で1つの部となっており、1巻〜3巻がシルク・ド・フリーク三部作、4巻〜6巻がバンパイア・マウンテン三部作、7巻〜9巻がハンター三部作、10巻〜12巻がディスティニー三部作と呼ばれている。
バンパイアは闇に生きるもの。その根本は今作でも揺らぎはしない、ただ、バンパイアは人類の敵ではない。生きるために必要な分だけ血を貰うが、殺しはしない。あくまで共存が彼らのルールである。
しかし、このルールをよく思わず、バンパイアの世界と袂を分けた勢力がいる。それが今作の敵、バンパニーズだ。
彼らは人間の血を飲み干すことこそが高潔と思っている。
そんなバンパイアとバンパニーズは長らく休戦協定を結んでいたものの、バンパニーズ大王の出現により、この協定が破られる。
ダレンたちは、バンパニーズ大王の殺戮を止められるのか?
【おすすめポイント】
賢明なダレン・シャン読者ならおわかり戴けると思いますが、あまりに喋れることがない。なぜかってこの作品、伏線が張り巡らされすぎていて、しまいには句読点の打ち方一つにも疑心を抱いてしまう程のものなのです。疑心暗鬼になってる今のワンピース考察勢みたいな気持ちです笑
もしかすると未読かもしれない七尾さんにネタバレなしで勧めるの、けっこう至難のわざかもしれない……
泣き言を言っていても仕方がないので、好きなところを書いていきます。
バンパイアになる方法として、指の先に傷をつけて、そこからバンパイアの血を流し込むという儀式を行う必要があります。
めちゃくちゃ痛そうじゃないですか?
「血」というものを描いているからか、ダレン・シャンに出てくる傷や痛みの描写はとても生々しいものが多く、つまり痛みのディティールがしっかりしているから、どれだけ辛いか、苦しいかの想像がつきやすいです。
ダレン・シャンという少年は、バンパイアとして生きることを選んだあと、メキメキとバンパイアとしての頭角を現していきます。ですが、戦いがある以上は傷つき、心を折られるような出来事も一度や二度ではありません。そんなダレンと読者をつなぐのが、想像できる痛みです。これは読者が一方的にダレンの心を慮るよりもダイレクトに二者をリンクさせます。
やはり物語は主人公に魅力があってこそ。
この物語はダレンという少年の成長譚なのですが、バンパイアとしての体はだんだんと戦うための体になっていきます。そしてダレンの心もそれに伴って強く大きくなっていき、自分をバンパイアにした人物にして師である男もいつしか認める程になります。
ただ、ダレンの人間の心の部分、心根の優しい部分というのはどこまでもついてくるもので、本作はこの心を抱えたダレンが迫られる幾多の選択を見守る物語でもあります。
七尾さん、闇の眷属だけはやめようね。
4.魔法があるなら
【概要】
お話は長女のリビー視点で語られます。というのも、話は取調室から始まり、リビーの独白という形で進んでいくのです。
リビーの口から語られるのは、その街一番のデパートに夜な夜な忍び込んで過ごした魔法のような体験の数々。
ベッドの下に潜り込んで閉店を待ったこと。サンプルの車のおもちゃでデパートの廊下を爆走したこと。普通なら食べられないようなデパートの名物、豪華なチョコレート・サンデーを3人で食べたこと。言い出しっぺのアンジェリーンが食べきれずにグズったこと……
最初は母親のめちゃくちゃな計画と、まだ善悪の区別もつかずこの計画をとても素敵なことだと信じてめちゃくちゃをやる幼い妹に振り回されていた常識人のリビーも、だんだんとこの「魔法」に魅せられていく。
そしてこんなめちゃくちゃを思いついた母親の真意と想いもだんだんと分かってきて……
【おすすめポイント】
冒険とか夢の世界って、タンスを開けたら異世界だったとか、魔法とドラゴンの世界とか、そういうのを思い浮かべますけど、空想の産物ならなんでも夢とか魔法って気楽に呼称していいと思うんですよね。
デパートを一日貸し切ってみたいだとか、夜まで隠れていればデパートで寝れるのでは?とか、そういう身近にあって誰もが一度は憧れるけどこと実現できないこともまた、夢とか冒険の世界だと思いませんか?
これは3人の親子がそんな冒険をする物語です。
現実世界と紐づいているので、基礎知識も何もなしに、常識で考えるとしちゃダメなあれやこれを現実にしていく物語は、かなりスリリングで、「その手があったか!」と「そうはならんやろ」の連続です。
とにかく展開が目まぐるしく、ページを捲る手が止まりません!
サラッと読めてしまうだけに、読後の寂寥感が半端じゃない。
この作品のスゴいところは、読者の不快のラインを弁えたうえでギリギリを攻めるところにあると思います。
例えば食事のシーン。食材、フライパン、皿と用意するものがありますが、食材は賞味期限がその日に切れるもの(閉店後なので翌朝の開店時には切れている)を、フライパンや皿は展示されていて傷がついているものを使うなど、店にあってももう資産価値がほぼないものを使うということを徹底しています。
また、次女のアンジェリーンは頻繁にわがままを言いだします。概要に書いたチョコレート・サンデーの話なんてそうです。母親はこれを作って食べよう!と言い出しますが、ただ食べたとなると店に申し訳ないので(まぁ普通に窃盗ではあるのですが)、目につかない細かい場所の掃除を値段に見合うだけやろう、という条件も出します。
子どもでも考えられる「対価での解決」は、読んでいて「ならいいか」(良くはない)とさせてくれて、冒険にノイズを残すことがありません。
なにより大きいのが、常識人、ツッコミ役のリビーが主人公なので、ストッパーがいいと判断したんだから、という気にさせてくれるところです。あまり罪悪感なくはっちゃける姿を自己投影できるのは、何よりもかけがえのない体験だと思います。
そしてなにより推したいポイントは、「やりたいこと全部詰め込んだぞ!」っていう我々の夢を叶えてくれるその姿勢。そのうえで家族の話を描いていて、最後まで読んで本を閉じたあとに『魔法があるなら』というタイトルでジーンとさせられます。
これってまるでライブみたいだと思わないか、七尾さん?
5.北方謙三版「水滸伝」
【概要】
羅漢中が編纂し、日本でも津本陽や吉川英治といった大歴史小説作家や、漫画家の横山光輝によって描かれた水滸伝という物語を、北方謙三が再定義、再解釈したのがこの北方謙三版『水滸伝』である。
北方版は水滸伝19冊、続編の楊令伝15冊、そのまた続編である岳飛伝17冊の全51冊から成る大水滸伝シリーズとして知られているが、今回言及するのは、元の水滸伝に準拠した部分までを描いた『水滸伝』である。
108人の好漢が梁山泊という湖に浮かぶ島に集う、という物語であるところまでは同じであるが、設定であったりキャラは大胆な改変がなされているため、他の水滸伝に慣れ親しんだ人にはかなり違って見えるのではないか。
舞台は中国の北宋末期、官僚政治は腐敗しきっており、民は政治のツケを払わされるが如く理不尽な目に合わされていた。そのような理不尽を嘆き、下級役人の宋江は自らの思いの丈を察しにした。その題は「替天行道」。天に替わって道を行うという大層な名前をつけたこの冊子は、少しずつ民の間に浸透し、いつしか多くの同志が集まるまでになった。
彼らは北宋という国家に対抗するため、梁山湖に浮かぶ湖塞、梁山泊を占拠し、武力闘争の構えを見せる。
梁山泊の中枢部にあたる聚義庁には名札掛けがある。主だった者は名札を作りここに掛けるのだが、名札には表裏があり、死ねば裏の赤い文字になる。
従来の作品では108人揃ってから物語が動き出すのだが、北方版は待ってくれない。どんどんと官軍が仕掛けてくる。
赤い文字の名札が多くなってきた頃に、官軍最強の部隊、禁軍が動き出す。
果たして梁山泊は、北宋を打ち破ることができるのか。
著者の北方謙三はこの物語をキューバ革命に着想を得たといっており、現実的な描写、組織化された戦闘描写に力を入れている。ここも面白い点である。
【おすすめポイント】
私をリアルで知っている方は、「あいつが北方水滸の話をしないなんておかしい」と思われていただろう。おまたせしました。私が人格形成期に出会ってしまって影響を受けまくった歴史説の話を始めたいと思います。
私が北方版水滸伝と出会ったのは、中学生の時分、文庫本が発売された頃でした。友人の家で見かけ、「面白い?」と聞くと「お前はハマる」と断言されたので3巻まで買って読んだんです。頭から爪先まで衝撃が走りました。
誰もがなにかと戦っている。強くても理不尽は降りかかるし、生まれながらにどうしようもできないこともある。強さゆえに孤独になることだってある。
だから抗うのだと。哀しいから哀しくなくするために戦うのだと。
端から見ると無様でも、戦って、勝ち取ることを諦めないことこそが生きることなのだと。それを教えてくれた作品です。
作品設定の細かさは読んでいてかなりワクワクするものがあります。
例えば梁山泊内、湖塞とだけ書くのではなく、中枢部の聚義庁で内政を行い、その他も造船所、病棟、訓練所、鍛冶屋、食堂があります。その全ての部署にプロフェッショナルがいて、プロの一人一人にも物語がある。
これは大元の水滸伝が列伝であるというところが大きいのですが、108人、ともすると雑兵と言われる男たちにもすべてに物語があるのがこの作品の魅力です。例えば美味い饅頭の作り方だとか、大砲の飛距離を巡っての試行錯誤だとか、鉄との向き合い方だとか、不機嫌な医者が針治療の針を求める話だとか。そういう話に平然と20ページも費やすのがこの作品です。自然と梁山泊内のことを歩き回っている気分になっている。
また、梁山泊への渡し船もギミックが凝っててワクワクをくすぐってくるのです。
更にこの作品、梁山泊だけでなくいくつかに拠点を設けるのですが、この拠点間を使って交易を行い、これを活動資金にしたりと、財務的な観点もしっかりしているのが肝ですね。
独自の紙幣等もつくって運営しているので、北宋の中にあるもう一つの国家という構図になっているのも面白い。『地球儀にない国』では?
かなり現代的なシステマチックさがあるので、「ああすればいいのに、でもこの時代だもんね」がない。逆にその新しさが北宋を古いものにして、新しい時代を作るための戦いにリアリティを持たせてくれるのです。
108人の仲間、と書きましたが、集まった理由はそれぞれです。
それこそ北宋の悪政に腹を立てた人間も数多くいますが、冤罪で逃げてきた男もいれば、梁山泊のメンバーに喧嘩を吹っかけて負けて悔しくてという人間も、女に振られて絶望したという男もいます。妻がいるから、恩人がいるから、などフランクな理由で入ってきた人間も少なくないです。
その一人一人の願いはバラバラかもしれません。志なんてない人間もいるかもしれないし、熱量だって違うかもしれない。ただ、梁山泊は生きるため、なにかを叶えるための場所であることはたしかなのです。そのために隣の男と命を預け合って戦う。その尊さに貴賤なんてない。
一人の男は読み書きができませんでした。つまらない理由で梁山泊に入山し、そこで仲間を得て字を学びます。読み書きができるようになってからも、なんだか自分の名前だけが満足行く字を書けない。戦場で仲間を多く救って負った怪我が元で彼の札が赤に変わる間際、彼はようやく満足の行く字で自分の名を書くことができました。
命を掛けられるだけの戦いをするということが、人生にとってどれだけ幸運なことなのか、そういうことを教えてくれる作品でもあります。
七尾さんにも、叶えたい自分というものがあると思います。
この物語の主人公たちもそうですが、願いは大きければ大きいほど揺らぐものです。そんなときに、この物語が、あなたの心に光を当ててくれると、私はそう信じています。
おわりに
本当は「七尾だから7選!」とか「11thだから11選!」とか抜かしてたんですが、薄く広く紹介するより本力で5つ選ぶ方が七尾さん的には喜んでくれるかなと思っての5選になりました。
『地球儀にない国』のようなファンタジー全開のチョイスを敢えて外して、骨太系の物語や、現実の延長線上にあるようなファンタジーを選びました。
どうだったでしょうか?
今回の11th、並々ならぬ想いで望むのは、あなたを担当する同僚の皆同じだと思います。
その中で自分が担当アイドル七尾百合子にしてあげられることはなんだろうと考えた時に、楽屋でふとしたときに見て楽しめるものを作りたいと思い至り、この企画を立てました。
またふとした時に#七尾百合子文庫でなにか書くかも分かりませんが、今はただ、11thの成功を祈り、力を尽くすことに注力します。
それでは七尾さん、風の戦士の皆さん!愛知で、そして配信で共に嵐を起こしましょう!
(24/11/8追記)
残念ながら明日、明後日に開催予定だったミリオン11thライブは延期となってしまいました。
とても悔しい気持ちでいっぱいですが、悔しいのはアイドルたち、そして現場のスタッフさんたちも一緒です。
延期という大きなトラブルも、小説に出てくる大きな谷、起承転結の転にすることだって出来るはず!
待ちましょう。臥薪嘗胆、いまは牙を研ぐときです。
そして笑顔でみんなで愛知の地にて会いましょう!!