持続化補助金に採択されたエステサロンの計画書作成事例④
補助金を手に入れるには、計画書の審査で相応の評価を得る必要がありますが、そのような計画書を作成しようとする際に有効な手段として、審査内容を踏まえることが挙げられます。特に小規模事業者持続化補助金では、ルールブックである「公募要領」に「審査の観点」が設けられており、その中には下図のように審査項目が明記されています。
今回見ていく<経営計画>「経営方針・目標と今後のプラン」は、上図赤枠部分を意識することがポイントとなります。つまり、これまで見てきた「顧客ニーズと市場の動向」や「自社や自社の提供する商品・サービスの強み」といった外部環境と内部環境を踏まえて今後の戦略を練る必要があるということです。
地方都市に立地する、あるエステサロンは事前に作成した計画書を弊社とともにブラッシュアップし、当補助金に採択されました。その計画書を事例として取り上げ「経営方針・目標と今後のプラン」をどのように記載するべきかを見ていきます。
1. 持続化補助金に採択されたエステサロンの計画書作成事例「経営方針・目標と今後のプラン」編
持続化補助金に採択されたエステサロンの計画書作成事例「経営方針・目標と今後のプラン」編(1)経営方針と目標を混同しない
今回見ていく「経営方針・目標と今後のプラン」は、文字通り「経営方針」「目標」「今後のプラン」を記載するわけですが、まず達成したい「目標」を掲げることから始まります。
そして、現状の姿と目標達成後の姿にはギャップがあるはずですから、どのような「経営方針」でそのギャップを埋めていくのかを記載します。例えば、売上要素別の方針、マーケティング戦略別の方針、経営資源別の方針などが考えられ、具体的には以下が挙げられます。
売上要素別の方針:客数(新規顧客、既存顧客)の上昇、客単価(買上点数、買上単価)の向上
マーケティング戦略別の方針:新製品開発や品揃え充実などの製品・商品戦略、価格設定方法の見直しなどの価格戦略、ネット通販や代理店の活用などのチャネル戦略、広告宣伝や人的販売などの販売促進戦略
経営資源別の方針:人員の質や量の拡充など人的資源の充実、商品や設備の拡充など物的資源の充実、資金調達など財務的資源の充実、情報発信やノウハウ活用など情報的資源の充実
上記は経営方針の一例ですが「売上要素別の方針」であれば、売上は客数と客単価の掛け算で求められますから、客数を上昇させる方針でいくのか、それとも客単価を向上させる方針で行くのかなどを定めることになります。
同店が記載した<経営計画>「経営方針・目標と今後のプラン」を拝見すると、経営方針として「地域で一番の店になる」「顧客との関係性を深化させる」といった内容の記載がありました。ですが、これは将来のありたい姿ですので、経営方針ではなく目標になります。
よって、事前に記載されていた目標に加えて、これらも目標としていただき、その達成のためにどのような方針で経営をしていくのかを検討し、記載していただきました。
持続化補助金に採択されたエステサロンの計画書作成事例「経営方針・目標と今後のプラン」編(2)測定可能な目標を記載する
同店は「知名度の向上」といった目標を記載しておりましたが、どのようになったら「知名度が向上した」と言えるのかが不明でした。また、前述の経営方針として掲げられていた「地域で一番の店になる」「顧客との関係性を深化させる」は目標として追加していただきましたが、これも測定可能な目標になっておりません。
目標を達成する時期を決め、その時期が終わったら達成率を測定することで、今後の打ち手を検討しますが、達成率が90%の場合と10%の場合では、今後の打ち手は異なるはずです。つまり、達成率が測定できなければ、今後の有効な打ち手は見出すことが困難ですので、達成率が測定可能な目標に置き換えていただきました。
持続化補助金に採択されたエステサロンの計画書作成事例「経営方針・目標と今後のプラン」編(3)「今後のプラン」を補助事業計画にしない
同店は当欄に「今後のプラン」という項目を設け、今後どのように事業展開をするのか、具体的な行動と実施時期を述べておりました。ですが、その行動は補助金を使って行う事業に関するものに留まっており、全体的な計画とは言えないものでした。
このようなケースは頻繁に目にしますが、補助金を使って行う事業の詳細は<補助事業計画>に記載する内容であり、今回見ている「経営方針・目標と今後のプラン」に記載する「今後のプラン」は補助事業を含めた当社全体の計画になります。
同店の場合、経営方針を経営資源別に設定しましたので、人的資源の充実、物的資源の充実、財務的資源の充実、情報的資源の充実のための具体的な行動を記載し、それらをいつ実施するのか分かるようにしていただきました。
今回は、持続化補助金に採択されたエステサロンにおける「経営方針・目標と今後のプラン」記載のポイントとして(1)経営方針と目標を混同しない、(2)測定可能な目標を記載する、(3)「今後のプラン」を補助事業計画にしない、を挙げました。次回は引き続き<補助事業計画>「販路開拓等(生産性向上)の取組内容」を見ていきます。
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