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板金加工業の計画書記載例から見る持続化補助金の採択ポイント④

 どんなに適切な環境分析をしたとしても、今後の戦略においてそれを活用しなければ、分析の意義が薄れてしまいます。

 ここまで3回に渡って小規模事業者持続化補助金の申請時に作成する<経営計画>内の「1.企業概要」「2.顧客ニーズと市場の動向」「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」の書き方について見てきました。

 これらは現状分析の意味合いがありますが、今回見ていく「4.経営方針・目標と今後のプラン」はそれらを踏まえて、今後どのように自社が進んでいくのかを述べたものになります。なお、このことは下図「公募要領」内「書面審査」の赤枠部分にも審査項目として記載されています。

令和元年度補正予算・令和 3 年度補正 予算小規模事業者持続化補助金<一般型>公募要領P24に加筆

 よって、現状分析の結果を踏まえず、書きたいことだけを書くようなことは避けたいわけですが、意外とそのような計画書は目にします。そこで当記事では、下記の持続化補助金ホームページからダウンロードできる板金加工業の計画書記載例を取り上げ、当欄の書き方を見ていきます。

【商工会議所エリア】

【商工会エリア】

 以下は、今回見ていく記載例ですが、書き方のポイントとして吹き出し部分が挙げられ、以降でそれぞれを解説していきます。なお、今回の記事は2022年7月11日現在の情報に基づいています。

1. 板金加工業の計画書記載例から見る持続化補助金の採択ポイントPart4

板金加工業の計画書記載例から見る持続化補助金の採択ポイントPart4(1)テーマを切り分ける

 当欄のタイトルは「経営方針・目標と今後のプラン」ですが、これらをまとめて記載しようとすると、内容が冗長になり、伝えたいことが伝わりにくくなってしまうリスクが高まります。

 そこで切り分けが必要になりますが、適切な切り分けをするために一番確実なのはタイトルに基づくことですので、当欄であれば【経営方針】【目標】【今後のプラン】という見出しに基づく内容の切り分けをお勧めします。

 記載例では【目標】だけを切り分けていますが、これは以下に示すように事業の切り分けを優先した結果だと考えられます。

板金加工業の計画書記載例から見る持続化補助金の採択ポイントPart4(2)事業を切り分ける

 同社は「1.企業概要」において、主な営業品目として「精密加工分野」「レーザー加工分野」「その他」を挙げていますが、「4.経営方針・目標と今後のプラン」において、これらの品目を扱う事業を今後どのように展開させていくのかを記載しています。

 この際に、自社の事業展開をまとめて記載するのではなく、それぞれの事業を切り分けて事業展開を記載することは、前述のように内容が冗長になることを防ぎ、伝えたいことが伝わりやすくなると言えるでしょう。

板金加工業の計画書記載例から見る持続化補助金の採択ポイントPart4(3)外部環境を踏まえる

 板金加工業の計画書記載例から見る持続化補助金の採択ポイント②で述べた通り、外部環境の変化に対応した事業展開は、生き残るために当然行う必要があります。

 当記載例では、外部環境の変化として「2.顧客ニーズと市場の動向」で述べた「取引先は廃業やM&A 等で減少」を踏まえ、新規顧客へアプローチしていく方針であることを述べています。

板金加工業の計画書記載例から見る持続化補助金の採択ポイントPart4(4)補助事業との関連を述べる

 当欄に補助事業で実施することだけを記載するケースが多い印象がありますが、それは<補助事業計画>に記載するべきことであって、当欄には全体の計画を記載する必要があります。なぜなら当欄は<経営計画>を構成するものであるからです。

 また、全体の計画を記載したものの、補助事業との関連が不明なケースも散見しますが、当記載例ではレーザー加工分野と補助事業の関連を述べています。

板金加工業の計画書記載例から見る持続化補助金の採択ポイントPart4(5)自社の強みを踏まえる

 自社の強みを活用した事業展開は効果が出やすく、前述の「公募要領」内「書面審査」においても、自社の強みを踏まえることが求められています。記載例においては<その他>の部分において自社の技術力について触れ、これを活かした新規事業について述べています。

 今回の記事では、板金加工業の計画書記載例の中で<経営計画>「4.経営方針・目標と今後のプラン」における採択を引き寄せる書き方として(1)テーマを切り分ける、(2)事業を切り分ける、(3)外部環境を踏まえる、(4)補助事業との関連を述べる、(5)自社の強みを踏まえる、を挙げました。

 次回も当記載例を用いて<補助事業計画>「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」を見ていきます。

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