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持続化補助金に採択されたエステサロンの計画書作成事例②

 「顧客が欲しがるものではなく、顧客のためになるものを売れ」とは、経営の神様と呼ばれた現パナソニック、旧松下電器産業の創業者である松下幸之助氏の発言です。商売の本質を突いた名言と言えますが、そもそも顧客が欲しがるものにも、顧客のためになるものにも意識が向かないまま商売をしているケースも見受けられます。

 そこで、一度立ち止まって顧客ニーズや市場の動向といった外部環境に目を向けるべきなのですが、日々の仕事に追われ、なかなかそちらに目が向かないケースもあります。そんな時に補助金の申請がきっかけになることもあります。

 小規模事業者持続化補助金の申請時に作成する<経営計画>の「顧客ニーズと市場の動向」には、そのような視点に基づく内容を記載するわけですが今回の記事では、あるエステサロンの経営者がどのように当欄を記載し、採択を勝ち取ったのかを述べていきます。

1. 持続化補助金に採択されたエステサロンの計画書作成事例「顧客ニーズと市場の動向」編

持続化補助金に採択されたエステサロンの計画書作成事例「顧客ニーズと市場の動向」編(1)顧客ニーズを定義する

 同店が「顧客ニーズ」として予め記載してこられた内容には「脱毛以外の施術も受けたい」「アンチエイジング関連の施術も受けたい」といった内容が散見されました。ですが、顧客ニーズは、どのような施術を受けたいのかという点よりも、顧客がそれら施術を受けてどのような目的を達成したいのかといった点がポイントになります。

 例えば、フェイシャルエステの施術を受けることで「自分の結婚式で見栄えを良くしたい」という目的を達成したい人もいれば、「実年齢には見えないはつらつとした印象を取引先に与えたい」という目的を達成したい人がいるかもしれません。

 これらを踏まえると同じフェイシャルの施術を提供するにしても、前者のニーズに対しては結婚式に向けた短期集中ケアメニューをどう構築し訴求するかがポイントですし、後者のニーズに対しては日常的に通っていただきやすくすることがポイントとなるでしょう。

 つまり、顧客ニーズは「顧客が受けたい施術内容」ではなく「顧客が自社を利用して達成したい目的」と定義づけた上で記載することがポイントとなるのではないでしょうか。

持続化補助金に採択されたエステサロンの計画書作成事例「顧客ニーズと市場の動向」編(2)顧客の不満からニーズを洗い出す

 同店は、市場の動向として競合他社の状況を記載しており、その中に競合に対して不満を抱いた顧客が同店に乗り換えるケースがあるということを記載していました。これは、顧客ニーズを洗い出す絶好のチャンスであり、競合に対して抱く顧客の不満を具体化することによって、顧客ニーズを探ることが可能となります。

 例えば「施術はきちんとしてくれるものの日常生活に対するアドバイスがない」という不満があるのであれば、「日々のセルフケアに対するアドバイスをもらうことによって、シワやたるみをエステだけに頼らず、日常生活の面からも改善していきたい」というニーズがあるのかもしれません。このようにして、顧客の不満からニーズを洗い出していただきました。

持続化補助金に採択されたエステサロンの計画書作成事例「顧客ニーズと市場の動向」編(3)具体的に書く

 前述のように、同店は競合他社の状況を記載しておりましたが「技術力に不安がある」「品質にばらつきがある」といった形で、一般論的な内容が目立っていました。ですが、採択される計画書のポイントとしてリアリティが挙げられますので、競合店の名称、住所、当店からの距離、当店から見た各競合の特徴を記載していただきました。

 具体的な社名・店名を記載することに不安を訴える方もいらっしゃいますが、提出したデータの取り扱いは守秘義務がありますので、具体的な名称を記載するリスクは低いと考えられます。

 今回は持続化補助金に採択されたエステサロンにおける「顧客ニーズと市場の動向」記載のポイントとして(1)顧客ニーズを定義する、(2)顧客の不満からニーズを洗い出す、(3)具体的に書く、を挙げました。次回は引き続き「自社や自社の提供する商品・サービスの強み」を見ていきます。

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