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持続化補助金に採択されたエステサロンの計画書作成事例⑥

 同店は、ある地方都市に立地するエステサロンです。看板などの販促物にかかる費用の一部を小規模事業者持続化補助金で調達しようと考え、計画書を作成しましたが、より採択の可能性を高めるべく、弊社にブラッシュアップのご依頼がありました。

 同店経営者と弊社でブラッシュアップした計画書を用いて、当補助金に申請したところ、無事採択されましたが、今回は当計画書の<補助事業計画>「補助事業の効果」をどのようにブラッシュアップしていったのかを見ていきます。

1. 持続化補助金に採択されたエステサロンの計画書作成事例「補助事業の効果」編

持続化補助金に採択されたエステサロンの計画書作成事例「補助事業の効果」編(1)「補助事業の効果」を切り分ける

 同店が記載してきた「補助事業の効果」を拝見すると、当補助金を使った効果がランダムに列挙されておりました。箇条書きを活用していた点は読みやすさを意識された結果だと思いましたが、単に列挙するのではなく、これらをグルーピングすることで、読みやすさが向上します。

 「補助事業の効果」におけるグルーピングの切り口としては、かつての近江商人が大事にしたとされる「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」の「三方よし」が使いやすい印象があります。

 特に、補助金という公的資金を使う以上「世間よし」として地域社会に及ぼす効果を検討することはひとつのポイントと考えられ、同店には【自社の効果】【顧客の効果】【地域社会の効果】という見出しを設けていただきました。

持続化補助金に採択されたエステサロンの計画書作成事例「補助事業の効果」編(2)「自社の効果」を切り分ける

 同店は、補助事業を実施することによって、客数が増加し、それに伴って売上高が上昇するという効果を具体的な数値を用いて述べておりました。このような数値で表すことが可能な効果を「定量的効果」、そのような表し方が困難な効果を「定性的効果」と呼びます。

 前述したように同店には【自社の効果】【顧客の効果】【地域社会の効果】という見出しを設けていただきましたが、そのうち【自社の効果】に関しては、さらにこの「定量的効果」「定性的効果」という見出しを設け、内容の整理をしていただきました。

 なお【顧客の効果】【地域社会の効果】に関しては、定量的効果を示すことは困難と判断しましたので、これらの効果に定量・定性といった見出しは設けませんでした。

持続化補助金に採択されたエステサロンの計画書作成事例「補助事業の効果」編(3)効果と目標を混同しない

 同店は売上増加という自社の効果を「売上高〇%アップを目指す」、顧客数増加という効果を「客数〇名の増加を目指す」という形で「目指す」という言葉を語尾につけていました。

 ですが、目指すのであればそれは効果ではなく目標になりますから<経営計画>「4.経営方針・目標と今後のプラン」において「目標」として記載するべき内容になります。増加する売上高・客数を正確に見込むことは困難ではありますが、効果として「目指す数値」を述べるのは、違和感がありましたので、再考していただきました。

 結果として「売上高〇%アップを見込むことができる」「客数〇名の増加を見込むことができる」という書き方になりました。

 このようにしてブラッシュアップした結果、同店は当補助金に採択されたわけですが、ここまで6回にわたり、採択を引き寄せる計画書の書き方を見てきました。各回で示した書き方のポイントは以下の通りですので、採択を目指す方の参考になれば幸甚です。

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