持続化補助金に採択された美容室の事例から学ぶ計画書の書き方④
事業の計画を立てるということは、今後どのようにして事業を展開していくのかを考えるということです。それがなければ、その日暮らしの行き当たりばったり的な事業になってしまいます。
そのようなことは知っていても、日々の仕事に追われたり、事業計画を作るためにどのようなことを考えれば良いのかがわからなかったりして、計画の作成が後回しになってしまっている事業者は相当数に上るはずです。
そのような事業者にとっては、日々の仕事に追われながらも小規模事業者持続化補助金の入手をモチベーションにしたり、当サイトの記事を参考にして考えるべきことを明らかにしたりして、申請用の計画書を作成することは、今後の事業展開を検討する良い機会になるでしょう。
今回ご紹介する美容室も計画を作成したことはありませんでしたが、弊社の支援を受けながら、色々調べつつ計画書を作成した結果、当補助金に採択されました。そこで同店の計画書を事例に、今回は<経営計画>「4.経営方針・目標と今後のプラン」の書き方に関するポイントを見ていきます。
1. 持続化補助金に採択された美容室の事例から学ぶ計画書の書き方【経営方針・目標と今後のプラン】編
持続化補助金に採択された美容室の事例から学ぶ計画書の書き方【経営方針・目標と今後のプラン】編(1)見出しを設ける
新聞は見出しがなければ読まれないと言われますが、長々と文章だけが記載されていると、読み手に負担を強いてしまい、理解が進みにくくなってしまうリスクを発生させます。同店が記載した「経営方針・目標と今後のプラン」の欄がまさしくその典型例となっており、見出しが一切なく、ひたすら文章が綴られていました。
この場合、適切な見出しを設けることで読みやすさが向上するものです。当欄は「経営方針・目標と今後のプラン」というタイトルですから、【経営方針】【目標】【今後のプラン】という見出しを設けて、文章をグルーピングすることで、書き手の思考が整理され、読み手はもっと内容が理解できたのではないかと感じました。
持続化補助金に採択された美容室の事例から学ぶ計画書の書き方【経営方針・目標と今後のプラン】編(2)目標は期限を設け数値で示す
目標には数値で表すことができるものとそうでないものがあります。前者は売上高・利益額・利益率などが挙げられますし、後者は企業イメージや知名度、地域貢献度などが挙げられます。そして、いずれにせよ、いつまでに目標を達成するのか、期限を設ける必要があります。
また、数値で表すことのできる目標は、目標の達成率が分かりますので、それに応じて次の有効な打ち手を講じることができます。目標達成率が50%の場合と95%の場合では、その後の有効な打ち手は当然異なるわけで、そのためにまず達成率を把握する必要があります。
よって、目標は期限を設け数値で表すことが有効と言えますが、同店はそのような目標を設定していませんでした。これを検討し、当欄に記載すれば採択はより確実になったと思われます。
持続化補助金に採択された美容室の事例から学ぶ計画書の書き方【経営方針・目標と今後のプラン】編(3)今後のプランは表で示す
当欄には今後のプランを記載する必要がありますが、これを文章だけで述べることは読み手の理解が深まらないリスクが高まってしまいます。同店はまさしくこのような形で今後のプランを記載していました。
弊社でお勧めしているのは、下図のように縦軸に何を行うのかを示した実施事項を列挙し、横軸には3年程度の時間軸をとった表を作成し、いつ何を行うのかが分かるようにすることです。
特に実施事項を端的に示すことで、行動が具体的になり、それをいつ行うのか明確にすれば、実行可能性の高いプランになることが期待できます。
このように同店の「経営方針・目標と今後のプラン」だけを見てしまうと採択が厳しい印象を受けましたが、他の欄の完成度でトータル的な評価を高めて採択を引き寄せたのではないでしょうか。
今回の記事では採択を引き寄せる<経営計画>「4.経営方針・目標と今後のプラン」の書き方として(1)見出しを設ける、(2)目標は期限を設け数値で示す、(3)今後のプランは表で示す、を挙げました。次回は<補助事業計画>「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」を見ていきます。
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