イギリス英語とアメリカ英語の違い
もしも日本語が日本以外の国でも使われていて、しかもそちらの方が主流になってしまったら、我々はどう感じるでしょうか。老舗の和菓子屋みたいに「本家」対「元祖」の戦いになるのでしょうか。
日本で学習されている英語はほとんど「アメリカ英語」です。
アメリカでは(又は日本で習う英語では)、
「Subway」を降りて「Exit」の表示を頼りに「Elevator」を使って地上階に上がって改札を出た後、「french fries」を「take out」してcity「center」方面に向かう。
となるところ、イギリスでは、
「Underground」を降りて「Way out」の表示を頼りに「Lift」を使って地上階に上がって改札を出た後、「chips」を「take away」してcity「centre」方面に向かう。
となります。
イギリスでの「subway」は通常、「地下道」という意味なので、人が通るだけの地下の道をイメージされます。実際に「Underground」に通じる「Subway」が街中に会ったりします。「地下鉄」という意味で通じないということはないですが、「サンドイッチ屋がどうした?」的なリアクション(ユーモアとしてですが)もありがちです。
その他にも、単語、スペル、文法、表現の違いは多いです。
たちまち気づくのは「car」等における「R」の発音で、イギリス英語は「a」を伸ばしているだけで「r」音の存在感があまり感じられません。(r-less)
イギリスの人たちは実際のところどう思っているのでしょうか。面と向かって聞くと、「それぞれ違っていても、全く通じないというほどでもないし、特に問題ないのではないか。」的な(クールな)反応です。
他方、ふとした瞬間に、やはりあまり良くは思っていないのでは、という反応を見かけます。それは例えばレストランでのイギリス人同士のやり取り、「check(お勘定)お願いします。」に対して、「billだろう?誰に気を使ってるんだ?」的な応酬にも見られます。(いつものことですが、どの程度ユーモアが混じって(わざと見せつけて)いるのかつかみかねるところではあります。)
日本でいうところの「サスペンダー(ズボン吊り)」はアメリカ英語で、当地では「braces(ブレイシーズ)」といいます。他方、suspenderが意味するのは(日本でいうところの)ガーターになります。(通勤電車の中では避けた方が無難ですが、「suspenders」「UK」で画像検索すると一目瞭然です。)
このことを知っていて本当に良かったと思ったのは、ある日イギリスのクラスメートに、「(もともと下着扱いの)bracesを使っているときは、上着を脱がない方がいいと聞いたことがあるけど実際はどうか?」と聞いた時です。
さもないと、「今suspender着けてるんだけど、人前で見せても大丈夫かな?」などと聞いて盛大に誤解されるところでした。