長野県道77号旧道 半過隧道 (9)
北側から入った洞門の扁額は「半過”隧道”」でしたが
洞門を抜けて、南側の扁額には「半過”洞門”」と記されていました。
すぐ横に、国道18号バイパスのトンネルがあります。
高架橋で空を横切っていきます。
洞門を抜けた先の県道77号は現役道路。
距離的にはバイパスよりも川沿いの市道を経由したほうが近道ゆえ、
続々と車が走り抜けていきます。
で…
これ is 何??
はい、店内で使われなくなったイスが並ぶバス停です。そのままイス自身が並んでバスに乗っていきそうなシュールさがありますね…。
・・・
改めて、少し遠回りをして
半過隧道に近づいていきましょう。
…凄い絶壁ですね。
「岩鼻」と呼ばれる、
長野県の天然記念物に指定されるほどの地形の名所です。
今、岩鼻の周辺は芝生に覆われた公園が広がり、実に穏やかなものです。
しかし昔は、ひとたび洪水が発生すれば、一面が濁流に覆われるくらいの難所でした。数千年をかけて、何度も何度も川に削られて、この岩鼻の地形が形成されたそうです。
こんなにも広大な川幅があるのに、
半過洞門が危険な絶壁に身を寄せているのは、
落石の威力より遥かに強い、濁流から身を守るためだったのです。
この大穴も、濁流の威力で空けられたそうなので、
想像を絶する自然の力です。
濁流には劣る落石の力であっても、人や車には十分な脅威となる故、
道路の開通後に、この洞門が建設されました。
開通当時、道を守る洞門はありませんでした。
災害のたびに復旧され、改良され続けた道です。