空撮:地学:河川:白い川と黒い川
穂高川(乳川)と烏川の合流点付近(長野県安曇野市)
合流点の手前、隣り合う川どうしで河原の砂礫の色が異なっている。穂高川は花崗岩地帯を流れ下っているため白っぽくなり、烏川は砂岩や泥岩の堆積岩地帯のため岩石の色を反映して黒っぽくなっている。
1960年代撮影の国土地理院の空中写真、白黒写真だが穂高川(乳川)と烏川の砂礫の色の差が明暗の差として写っていて、違いがわかる。 また、現在(2023年)と比べて河原に植生がほとんど見られない。1960年代ごろまでは、植生を安定させない程度の間隔で定期的に洪水が発生していたことがわかる。
戦前の地形図には烏川合流点まで「乳川」と記されていた。
今は河川名称は穂高川になっているので「穂高川と烏川の合流」と書くが、河相(河川の様相)が白い乳川と黒い烏川が直接合流している方が面白かったのに、と思う。
さて、地上からも観察してみる。
穂高川(乳川)の河原。乳房橋上流(長野県安曇野市)
花崗岩が砂となったマサはこの地方では有明砂と呼ばれている。
烏川合流点より上流部は戦前の地形図には乳川と記されているが、今は穂高川の呼称に統一されている。地元では乳川と中房川が合流して乳房川という通称もあり、乳房橋はそれにちなんでいる。
烏川の河原の様子(穂高川合流点から約1.6km上流地点、富田橋下流)
急に人頭大の石が増え、しかも花崗岩も多く混ざっている。あれ?烏川の河原の砂礫は黒っぽいはずなのに…と地質図を見たら、なんと、平野に出る直前に花崗岩帯を横切ってた。現地での観察は大事。
地質図
穂高川(乳川)と烏川の河原の砂礫の色の違い、実はNHK総合『ブラタモリ』の「安曇野」回で取り上げていて是非現地で見たいと思っていた。
案内人の「安曇野には、ファン多し!」の校長先生が印象的だったけど、お元気かな?