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農業土木:高円堂用水(富山県魚津市)
天神山の南東に細い土手状の地形が確認できる。これは江戸時代初期に人為的に造られた築堤で、新田開発として片貝川から天神野台地(現在の天神野新)に水を引くために、途中低くなっている高円堂谷に高さ20m、長さ200mの土手を築いて水路を通したものである。
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高円堂谷を南側から撮影。丘陵の連なりがこの部分だけ低く落ち込んでいる。ここの谷が用水路を建設するうえで障害となり、高さを維持するために土手を築くことになった。
用水路は写真右から左に向かって流れている。
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土手の建設は難工事で人柱を立てたという伝説が伝わっている。
また完成後も何度も崩れてその度に修復を行なっていて、その様子は地元の布施谷節(せんたんぶし/ふせんたんぶし)にも謡われている。
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水路から眺めると、両側が落ち込んでいて土手になっていることがよくわかる。
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流れ落ちる水流の美しさで知られる東山円筒分水槽(富山県魚津市)、天神山用水(高円堂用水)に分水する役目を持っている。
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