空撮：土木：道路：鉄道：瀬戸中央自動車道・瀬戸大橋の橋梁群（香川県坂出市）
今年（2024年）５月に遠足仲間と瀬戸大橋に行ってきました。
橋の途中の岩黒島の民宿に宿泊して、次の日は瀬渡し船で小与島にも上陸してきました。そのときにドローンで空撮した瀬戸大橋です。
下津井瀬戸大橋
本州・岡山側から見て、まず最初に架かるのが下津井瀬戸大橋です。全長1,447 mの吊り橋です。
渡った先には櫃石島があります。
この、本州と櫃石島との間の下津井瀬戸が岡山県と香川県の県境になっていて、ここから先（南側）の島々は香川県坂出市になります。
櫃石島は人口133人（2024年10月推計）。
瀬戸大橋の建設に合わせるように埋め立てと漁港の整備が進んで、島の面積が増えました。埋立地に見えている大きな建物は小中学校の跡で、2017年に閉校になっています。
櫃石島橋と岩黒島橋
櫃石島橋と岩黒島橋の斜張橋が２つ続きます。長さは両方とも792 mの双子の橋です。
元の設計ではトラス橋の予定でしたが、景観に配慮して斜張橋に変更された経緯があります。
瀬戸大橋をとことん堪能するために、岩黒島の民宿に泊まりました。
岩黒島橋や遠くの南北備讃瀬戸大橋の主塔が夕日に照らされています。瀬戸大橋の道路照明に明かりが灯っていきます。
そして海の幸
次の日の朝、民宿の２階の部屋から外を見るとそこには瀬戸大橋。最高です。
岩黒島連絡橋
さて岩黒島の民宿に泊まるのにどうやって島に「降りた」かと言うと、このような二重半のループ橋が瀬戸大橋に付いていて、ここを車で降りました。
本来は島民や島に用務がある人限定なのですが、民宿宿泊者にも便宜を図ってもらえました。
車以外でアクセスする場合は、瀬戸大橋を通る路線バスに乗って瀬戸大橋上の岩黒島バス停で降りて、そこからエレベーターで島に降ります。中型バスで運行している四国行きの便に限り、ループ橋を通って島の中の岩黒漁港バス停まで降りてくれます。
このループ橋は橋の片側、四国行き側にしか付いていないので、利用できるのは（１）本州側から来て岩黒島に降りる場合と（２）岩黒島から四国側へ行く場合に限られます。四国側から来て岩黒島に降りる場合はいったん岩黒島を通り過ぎて児島ICまで行ってＵターン、岩黒島から本州側に行く場合はいったん隣の与島PAまで行ってからＵターンする形になります。
真横からも撮ってみました。ループ橋と言っていますが、正確には３次元のらせん状になっている様子がよくわかります。
下から見上げても迫力があります。
岩黒島は人口48人（2024年10月推計）。
写真左下の海岸に黒い岩が見えていますが、これが岩黒島の名前の由来になったとも言われています。閃緑岩という岩石だそうです。
その岬の上に建っている大きな建物は元・岩黒小中学校。2021年度からは通う子供がいなくなり休校扱いになっていたのですが、2024年３月に廃校となってしまいました。
与島高架橋
与島は人口54人（2024年10月推計）。瀬戸大橋が跨いでいる有人島の中では一番大きく、誰でも立ち寄ることができる与島パーキングエリアがあります。
島を与島高架橋の巨大な建造物が横切っています。
南北備讃瀬戸大橋
瀬戸大橋のルートの中で一番島と島の間隔が開いていたのがこの備讃瀬戸で、3,300mの幅があります。ここにその長さの吊り橋を架けることは技術的に困難だったため、中央にアンカレイジを作って吊り橋を２つに分割することになりました。これが南北備讃瀬戸大橋で、北備讃瀬戸大橋が全長1,611m、南備讃瀬戸大橋が全長1,723mです。
北備讃瀬戸大橋の南側の主塔の基礎には、三つ子島という岩礁があります。
一般に吊り橋は橋桁の中央部が一番高くなりますが、南北備讃瀬戸大橋は双子吊り橋で、中央のアンカレイジ(4A)を共有しているのでそれに向けて北3P／南5Pの地点が最高所になっています。
北備讃瀬戸大橋を望遠で正面に近い構図から撮影してみました。
南側の主塔(3P)に向かって登っていて、高低差16.7m、計算上1.3%程度の勾配になっています。車で走り抜けるとそんなに気になりませんが、望遠の圧縮効果を使って撮影してみるとなかなかの坂道です。
瀬戸大橋は橋桁下層に通っている鉄道（JR瀬戸大橋線）が新幹線規格として勾配を1.5%以下としているため、それに従った勾配となっています。
ドローンで空撮することで、こうした瀬戸大橋の構造も詳しく観察できました。
北備讃瀬戸大橋の与島側のアンカレイジです。
あまりにも大きすぎて空撮に収まりきらなかったのでこれだけ別アングルで。巨大な構造物です。
そして四国へ
与島高架橋、南北備讃瀬戸大橋と、その先の四国側の番の州高架橋を望遠で。
瀬戸大橋というとどうしても海を渡る吊り橋や斜張橋に目が行ってしまいますが、陸上部分の高架橋も巨大な土木構造物です。
瀬戸大橋を堪能できた２日間でした。