【RX 大前】2024.11.30 JBCF浦安クリテリウム E1 優勝
サムネイルは@InoueAccount さんより。
【概要】
JBCF2024シーズンの最終戦にして、初開催となるレース。2週間前にチームメイトの三好さんを亡くし、弔意を込めてRX参加選手は喪章をつけて走った。
今年何レースか走ったJBCFのレースでまだ1勝もできていないので、有終の美を飾りたい。来年2月の国家試験までのスケジュールを鑑みるに、国試前最後のレースになりそうだし。
【コース】
大磯の直線を2倍にしたような、1周1.9kmのオーバルコースを20周、38km。
クランクが設定されていて、会場入りするまでどんなもんかと思っていた。が、実際にはTeam Ukyoのチームカーが置いてあって、それを避けるようにパイロンでコースを少し湾曲させてあるだけで、特にテクニカルな要素はなかった。
主催者の方が何か考えがあってそのようにしたのかもしれないが、個人的には集団がガチャついて危ないだけなので、これは要らないかなと思った。
【天気】
快晴。15度だけど日差しがありポカポカ。
風はそこまで強くないが、ホームが追い風、バックが向かい風。集団の脚が削れてくると効いてくるか。
【ライバル】
枚数を揃えるミネルヴァアサヒの中島選手、トライクルの武井選手。クリテキングのSBC中川選手など。
【レース】
序盤〜中盤
最後尾からスタートしたが、マスドスタートで序盤からペースが速く、10番手以内の位置まで上がるのに2周かかった。初めから結構脚を使ってしまった。
3周目以降は10番手以内をキープして、決定的な動きがあれば反応できるように走る。
先月の大磯を踏まえ、自分の1発ブリッジにはそれなりに自信を持っていたので、3,4人の10秒差くらいまでの逃げは許容できると思っていた。
集団先頭ではトライクルの狂気(褒めてます)のクライマー、橋本セイヤ選手が踏みまくっている。
後ろがついていようがいまいが構わず踏みたくるという気迫。
バックの向かい風区間に入ると、2番手の選手が橋本選手と少しギャップを開けて、橋本選手を1秒にも満たないギャップで集団が追う状況が続く。
まだ前半だからこのギャップだけど、中盤以降に集団が疲れてきたら、数名のブリッジがあって集団が緩むこともあるだろうなと考える。楽観のなかに緊張感をもち、自分ではほとんど脚を使わずにレース中盤までを消化。
終盤
周回数が残り10周を切ってくると、集団に疲れが見え始め、橋本選手を起点に数名が抜け出す展開が増えてくる。
一番差が開いたのは、橋本選手に湾岸の選手とミネルヴァの選手がブリッジして3人になった時。橋本選手はトライクルなので、人数揃えた本命チームが1名ずつ逃げる状況で10秒差くらい開いたか。ラスト6周くらいだったかな。
ブリッジをかけようかと思ったが、頭を冷やす。
集団のペースが上がった時、高確率で僕より先に中川選手、武井選手、中島選手といった本命選手が反応することが多かった。彼らもスプリントにしたくてたまらないはず。
つまり、「ブリッジしないとヤバい」と判断する閾値が僕より低い選手がまだいるということだ。チームメイトの奥田さんも集団前方でペースを保ってくれているし、まだ待てる。
そう考えて、一度位置を下げ、存在感を消し、ひっそりと様子を見る。
読みの通り、ラスト2周までに集団はまとまり、スプリントの空気感が漂ってきた。
ここから気をつけることは、埋もれないように前方に位置どりつつも、集団後方からの速度差をつけたアタックを許さないこと。
ホームストレートは西日が順光になり、長く伸びる影でアタックにすぐ気付けるけど、バックは無理。なのでバックストレートは特に注意深く、後ろの変速やダンシングの音に耳を澄ませて走る。
そうして逃げを許すことなく、ラスト1周のバックストレート。みんな結構脚を残しているようで、集団の密度が高く、ガチャついている。後輪にハスられたり、ハンドルや肩を当てたりということが多くストレスフル。
なんとか埋もれず3,4列目を保っているが、集団右側に位置どっているので、ラスト250mの右ヘアピンでインが詰まると立ち上がりで埋もれるリスクがある。
誰もアタックしなければ自分で仕掛けて、なんとしても3番手以内で最終ヘアピンに入りたいなあと思っていたところ。青いジャージ、ユースリーダーの安川選手が集団左側からアタック。
これを外さずすぐ飛びついた。武井先生を前に入れてしまったが、無事に3番手で最終ヘアピンを通過。ナイス判断。
コーナー出口で武井先生が後輪を滑らせていたが、僕のもがくラインに影響はなかった。
安川選手が10mくらい先行していたので、僕が勝つためには、後ろを気にせずゴールまでの200mをもがき切るしかない。少し長めのスプリントになるが、全力で踏むのみ。
14秒間 1265w, max1427wのスプリントで優勝できた。
追悼
ゴールラインを抜けた瞬間、三好さんのことが頭に浮かんだ。
僕が三好さんと初めて会ったのは、今年の9月、GCTVの高岡さんのアルカンシェルインタビューの収録の時。収録前の待ち時間、インターバルのプロトコルやトレーニング計画の立て方について、初対面とは思えないくらい沢山話した。
その翌週、チーム練習で秦野を一緒に走った。
訃報の前日、2025シーズンに向けてのトレーニング計画とインターバルの組み方について、チャットで相談をしてくれた。「新しいメニューが楽しみ」と言っていた。
三好さんとの思い出を語るにはあまりに短いお付き合いだったけど、そうした数ヶ月の記憶が駆け巡り、両手を天に捧げた。
今日のレースは序盤から、自分でもびっくりするくらいレースを冷静に見ることができていた。最後のスプリントも、14秒パワーはMMPを更新する会心のパフォーマンスだった。きっと三好さんが力をくれたのだと思う。
三好さんありがとう。安らかに。