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電線は景観のジャマものか~練馬区立美術館「電線絵画展」

電線絵画_チラシ_001

電線絵画_チラシ_002

山手線などの大きい駅周辺はそうでもないが、今でも少し住宅街に入ったりすると電柱や電線が多いことに気がつく。狭い路地などでは歩行者や車の通行の妨げにもなって、早く”地中化”しないものかと思ったりもする。

このように電柱はたいそう忌み嫌われている。
進んでいないものの、日本では国を挙げて地中化を推進すべく、2016年には「無電柱化の推進に関する法律」まで制定されているのだ。この法律の目的が第一条に謳われている。

この法律は、災害の防止、安全かつ円滑な交通の確保、良好な景観の形成等を図るため(以下略)

目的には三つある。
”災害の防止” これはわかる。地震や台風の多い国土、にょきにょき立っているのは確かに危ない。”安全かつ円滑な交通の確保” これもわかる。先にも書いた通りジャマになっている路地はたくさんある。”良好な景観の形成” これは、、果たしてどうだろうか。

日本の街並みは、概してごちゃごちゃしている。ヨーロッパの石造りの街並みを見るとよくわかる。色も形もバラバラで一見美しくない。その光景の中に視界を横切る黒い電線がある。
でも、その混沌が良くはないだろうか。どんな建物も看板もごった煮状態の街並み。すべてを包み込んでもなお一つの街として動き続けるバイタリティ。映画「ブレードランナー」で描かれる街並みなどは正にその極致ではないだろうか。

さて電線といえば、電線音頭である。会場にもそのレコードが展示されていたので、最後にその動画を紹介して締めくくろう。


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