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個人的バクアゲ回を叫ぶ【ブンブンジャー最終回前雑感】

今週末(執筆時点)でブンブンジャー終わっちゃうんですけど!?!?!?!?!?
”数年前から放送してたんじゃないか”と思うくらい体感時間をゆったり楽しんでいた気持ちが、ここに来てロスを引き寄せることになってしまった…24年振り返り記事でもちょこっとだけ触れたが、最終回を目前に控えたこのタイミング。改めて推し回を挙げていこう。
当たり前だが最終回前までのネタバレを大いに含むので留意してほしい。

※阿久瀬錠のオタクです、つまりそういうことになります※


バクアゲ5「警察屋はくじけない」

すまん、さっそく阿久瀬錠メイン回。
正義とヒーローを履き違えていた錠の覚醒回でもあり、本当のヒーローにおいて「カッコよさ」は絶対条件なのか…という根源的要素に触れることをこんな序盤でやるとは思わず、テンポ感に驚いた記憶がある。
地に転がり砂を握りしめてなお立ち上がり、前を見据えて変身する…齋藤氏の演技の爆発力はもとより、カッコよさとは正反対な砂煙が巻き上がるワイルドな戦闘も印象深い。この頃はまだ玄蕃推しだったが、この回に惚れた時点でもう錠推しへの道は始まっていたのだ。

バクアゲ10「ウキウキなミッション」

玄蕃と未来がめっちゃかわいい回、玄蕃の飄々としてるノリはネタでもガチでも光るのでズルいなぁと感じる。
そして演者である相馬氏の素面アクションがカッコいい。
この回で玄蕃がすっと放った「自分のことになると本気というのがよく分からない」も今にして思えばディスレースへの復讐という別の目的を隠し持った伏線と分かるが、この時はまるでそう感じさせない作りになっているのだから恐ろしい。

子どもの日なのに子どもよりはしゃいでいる錠の健気なかわいさや、数年経っても世界を侵食している柏餅の恐怖など、細かい面白さが詰まっているのもお気に入り。

バクアゲ12「爆上エンジン」

まさかまさかのゴーオン回。レジェンド回はだいたい中盤以降からオリキャスが出ることが多いイメージなところ、冒頭からいきなり走輔役である古原氏が登場する豪華さにビビりまくった。16年の時を経てなお見える”走輔らしさ”にキレッキレの変身ポーズ…レジェンドキャストの不変ぶりはいつになっても驚かされる。
衣装合わせ後なのに髪色を赤に染めて撮影に行ったエピソードヤバすぎて好き

フルCGによるエンジンオーとブンブンジャーロボの共闘シーンはエンジンオーのスーツが現存しない故の描き方でもあるが、ゴジュウジャーが発表されDXROBO UNIVERSEの展開が進んでいる今から見ると、それらを見越しての策でもあったのだなぁという感心もしたり。

バクアゲ15「錠とキー」

タイトルが100点満点。このわずか4文字に全てが詰まっている天才ぶりが既に好き。
たとえ苦魔獣であっても信用を寄せることのできる錠の内面描写は警察官として市民に寄り添う職業的な優しさの演出であり、それと同時に終盤でも描かれた”本当の正しさ”を目指す始まりとなった回であるのも印象深い。

ラストカットまでのシーン、本当にギリギリまでペダルを踏むことを躊躇う錠の指先に強烈な感情が宿っている演出の妙が素晴らしい。全編通して陽の色の暖かさが伝わってくる雰囲気作りも気に入っているポイント。

バクアゲ28「光を振り切って」

未来はもちろん先斗ですら玄蕃を心配して接触を試みる中、あれだけ玄蕃を慕っていた錠が「玄蕃さんなら、って考えるのやめませんか」と真っ先に声をかける勇敢さがとても良い。序盤のあの幼さ混じりの顔はどこへ行ったのか、一人のヒーローとして成長した姿に感慨深さも覚える。

玄蕃がいないことの苦しさ、喪失感を射士郎ですら嘆く中で立ち上がる錠
サブタイの通り玄蕃という眩しい光に頼らず、自らが輝いて帰りを待つところに阿久瀬錠という男の完成形を垣間見たような気がして…この回によって一層好きなキャラになった。

バクアゲ31「華麗なる挑戦」

第4クールを控えての怒涛のギャグ。ネタ回の中でもトップクラスにイカれてて大好き。
カレーに狂わされていく先斗含めた男性陣のキャラ崩壊がまさに戦隊の洗礼で面白く、普段は真面目な射士郎もギャグ時空に飲み込まれて手が届かないカレーに嘆きの声を上げているのがシュールすぎる。クールキャラのようで容易にギャグへと染まる男…

カレーで無茶をやっているトンチキから来る面白さだけでなく、タイムパフォーマンスが重視される現代社会に対して”カレーの煮込み”でもって時間をじっくりかけることの良さを伝える皮肉めいた作りが特撮っぽさを感じられて好き、というのもある。
ネタ回となると鮭に万力に柏餅でだいたいむちゃくちゃになるので

先斗の「うまいぞーーーーーーーーーー!!!!!!!!」(ビーム発射)と射士郎の涙の輝きは一生忘れないと思う。
マジックテープの財布使う先斗がめっちゃかわいい

バクアゲ32「地獄の電車ごっこ」

2度目のレジェンド、トッキュウ回。
復讐を達成することでしか生きる意味を見出せない玄蕃に対して、同じくオレンジ、同じく死に場所を求めていた明の登場でしか描けないストーリーがとても鮮やかで魅力的に映る。
死に場所を探していたあの頃を振り返る明に対して「でもアンタ、今生きてるじゃねぇか」とすっぱり言う先斗、それでも今を生きることを選び、優しく笑みを返す明は玄蕃が戻りたい居場所それ自体を映しているようで…完璧すぎる人選。

そして何よりもライトを演じた志尊氏のサプライズ出演。
リアタイ時のOPではサプライズを楽しむためにクレジットを見ないように気を付けていたので、声の段階では似ている人かな?と思ったままだったが、まさかラストで出るとは思わず。人気俳優となったキャストもこうして後年になって登場してくれるのはありがたい限りである。

バクアゲ33「調達屋は譲らない」

もちろん挙げるしかないねぇ!!!
リアタイ時間にして一ヶ月近く離脱していた玄蕃のために用意されたジャケット、それを抱きしめながら「見つけたよ、自分のハンドル」と崩れ落ちる玄蕃。自身の愚かさに気付き、切なさと嬉しさが積もっていく1カット。繊細な表情の変化に玄蕃の内心を全て描く相馬氏の演技に打ちのめされた。
初変身もこの回も、玄蕃が調達してきた最後の切り札がいつだって自分自身であるところが素晴らしい。

さらにめちゃくちゃカッコいいチャンピオンジャケット。
上に一枚羽織っただけとは思えないほど見え方が大きく変わり、モチーフに沿いながらも面白い画作りができている。トドメでの玄蕃のバトンタッチもブンブンジャーのこれまでとこれからが垣間見えるようであった。

バクアゲ36「夢へと走る道」

最終決戦を前に描かれる強烈なメッセージの詰まった回。
ふとした出会いで大きな目標を見つけた未来と、昔からの遠い夢に手が届かない秋。いつでも誰でも他人は輝いて見えてしまう…他者への羨望が嫉妬に変わるさまがハザードランプや踏切の信号機の警告音でもって静かに描かれており、これまでともまた違う雰囲気になっている。

秋との衝突で未来が「信じらんない!」と怒るシーン。
その理由がチェンジャーを奪われたことではなく、自身を繰り返し卑下する秋に対してであったのが特に記憶に残る。夢に辿り着けない秋は輝く未来を「主役」に見えて羨み、不意の出会いから道が変わった未来は定めた目標をどこまでも進む秋を「一直線」に見えて羨む。
道を見失ったり、留まっているように感じている人にはもちろん、現代の誰しもに刺さる爽やかな終わり方が美しい回だ。

バクアゲ40「はかれない男」

ネタ回のふりをしたガチ回。そして結局錠メイン回が一番好き。
子供の憧れる理想のヒーロー像に健気なおまわりさんとしての姿を見せ続ける錠がまずかわいい…大型犬と言われるのも納得である。そして水があれば絶対に水落するのも阿久瀬錠という男。映画で水落したのが全ての始まり

ふと目を離した隙に弟に大きなケガをさせてしまった経験から失敗を恐れるようになったイツキに、失敗を繰り返しても進み続けることでヒーローらしさを示す錠の姿。地に伏しても、泥臭くても、貯金の残高が2024円でも諦めない不屈の心がイツキにも響いていく。
恐れず前に進む大事さを「もったいない」で示すあたりがなんとも錠らしく、これまでの回でも”今やりたいこと、できること”にアクセルをベタ踏みしてきたからこその説得力も宿っていて非常にカッコいい。

バクアゲ43「豪快なハンドル」

3度目のレジェンド回、まさかのゴーカイジャー。
レジェンドも当然見どころとして、射士郎の離反は予想外のもの。今までのやり方からして盤面を返すためのスパイ活動を働くのかと思っていたが、まさかこれほど大胆な裏切りに走るとは思わなかった。
しかし47話を見ればわかる通り、結果的には「敵を欺くならまず味方から」の行動であった。去年もラクレス・ハスティーに大いに心を狂わされたが、2年連続で乗せられてしまった公式をそのまま受容するオタク

ブルーの欠けた穴を埋めるようにゴーカイブルーが登場する構成がまたしても見事。ブンブンジャーのレジェンド回はメンバーカラーとの紐づけが天才すぎて…普段は射撃での戦いがメインなブンブルーがロッド二刀流で戦う新鮮さがまさしくゴーカイジャーと言える。
ラストシーンではジョーを演じる山田氏もガッツリ出演し、ニコーラ姫のペンダントを託すという二連続サプライズ。映画の伏線は拾わないものだとばかり…

バクアゲ45「地球の敵」

地球を捨てたからこそ好き勝手に動ける先斗。追加戦士は”6人目”との認識で融和していく傾向があるところ、先斗には出自の違いから”5+1”の別軸で動けるところに作劇上の強みを感じている。

自身の悲鳴を聞いてくれた大也を今度は救うべく、捨てた故郷に真っ向から牙を剝く姿がとても眩しい。流されていく民意、人の波を直線で突っ切り「俺は地球、とっくに捨ててんだ」とスタンスは変わらないままに”仲間を悪く言われること”それ自体に真の怒りを向けられるほどに他者を信頼できるようになった先斗の成長ぶりに心を打たれた。

もう終盤は毎話面白いから全部挙げたいんですけど…文章量が5倍くらいになりそうで…頑張って選んでいます…

バクアゲ47「届け屋はひとりじゃない」

めっちゃしれっと生き残っているサンシーターがさっそくかわいい回。ギャグ時空に片足突っ込んでるキャラはやはり生存率が段違いである。

周りに流される大人と違って、純粋に本質を理解している子供たちの図がとても健気で切ない。目先の利益や貢献性ではなく「自分の目で見たから」「助けてくれたから」と曲がりのない眼差しをサンシーターにすら向けられる暖かさ、無意識に子供を庇うデコトラーデと、作品全体を通して”自分のハンドル”を握れていることの素晴らしさ、正しさがここに来て一段と輝いていくテーマの一貫性が素敵だ。
ブレない軸を持つ重要性をブレずに一年間伝える」ことこそ、ブンブンジャーが描き尽くした景色だと感じている。

1話のオマージュと、トドメに射士郎のド派手な帰還。「アタックモード!」の一言で全てが伝わってくる。いやこれラクレス・ハスティーの時にも食らわされたヤツじゃん!ズルいキャラだよホントに…

つまるところ

全員がバラバラに一つの目的を完遂し、他者であることを理解し、信頼する…他者尊重が重視される現代において、”それぞれが異なる目線、立場にいること”を率直に伝えてきたブンブンジャーもいよいよ次週で最終回。

限界まで追い詰められたスピンドーとグランツに対し、ブンブンジャーはどのようなハンドルを切るのか…ゴジュウジャーに向けてはやる気持ちを抑えて最後まで見届けていこう。

ブンドリオちゃんと生き返りますよね?大丈夫ですよね?

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