「違うこと」をしないこと #7
大きな欲は私にはない(だから夢がなかったのかも)。
だったらいいな、と思っているだけのものはたいてい叶わない。
全ては手に入らないとわかったとき、あなたは何を残し、何を手放しますか____?
何となく思い描いていた未来は私の前には訪れなかった。
少女漫画のストーリーや出来杉くんな人生は実際には起こらないという事実(というか主役にはなれない現実)を知った私はおそらく早めに人生に絶望し、大きなことは願わなくなった。
毎日が少しずつ楽しくて、居場所があればそれでよかった。
貧困やストリートチルドレンの子たちの思想に近いのかもしれない。
その日を何とか生き抜いて、家族や仲間の元に帰るような(これでいいやとは思っていないのが大事なところ)。
日本のような豊かで平和な国でも、主軸から外れてしまえば絶望もするし諦めが必要なこともある(そこで生きていくしかないのだから、贅沢言うなというのは少し違うと思う)。
それでも、そんな中にでも、希望を見出すのが人間のすごいところ。
できることを探し、精一杯生きるしかない。
でも意外と、その中に見つけた希望ってやつが実は求めていた幸せだったり、やりたかったことだったりするんじゃないかなあ、と思う。
あれもこれもほしくてもがいて、うまくいかなくてうずくまる。
飛び抜けた才能はないからやんわりオールラウンダーでいたかった。
あれもこれもオッケーって引き受けて対応するのが、器の大きくてかっこいい人間だと思っていた。
違う自分になろうとしたから、人懐っこくあろうとしたり、うーんと思うことを引き受けたり、怠惰な人づきあいをしたり、、
それをしちゃうと、どんどん向こうからいろんなこと(仕事、とかだけでなくトラブルとか災いの類も)がやってきちゃうなんて思わなかったから。
結局全部自分で引き寄せちゃってたのだ(スピリチュアル信者ではないんだけど、なんだかこればかりはすごく腑に落ちてしまった)。
そして今、私はできるだけやりたくないとそのとき感じることはやらず、したいことだけするようにしている。
夫にも、嫌だったらおはようも言わないし、ごはんも作らないし、一人でばかりいるし(はい、酷いです)。
もちろん、朝が苦手なこともひとりの時間が必要なことも十何年と伝えてきている(が、いまいち伝わらない。対応しちゃってたから)。
お母さんだからこうしなきゃいけないとか、良い妻ってこうあるべきだとかって、求められてもいないのに察知して引き受けて、できない事までしようとしてしまっていた(おいおい、君は頑張ってふつうなんだよー、と教えてあげたかった)。
夫については改めて書こうと思うが、とにかくとっ散らかった人物で、だけどそれを帳消しにできる才能とエネルギーの持ち主である。
しかし、平凡な私にとっては最要注意人物であると気づいた。
一緒にいるととにかく大変なことばかり起こる。
それに、とっ散らかりってなんだか感染る気がする。笑
私は手始めに、夫と静かに距離を置いてみることにした(大事な家族には変わりありません笑)。
ずっとこうしようとは思わないけど、まずは極端にやってみようと思っている。
一度自分の気が済むようにやりたいのだ。
私の小さな世界はどう変わるのだろうか?
変わらないのだろうか?
小さな小さな世界に閉じこもるだけになるだろうか?
私は大丈夫だと思っている。
最低限の処世術は身につけたし、フットワークも軽快だ。
あとは落ち着いて、「違うこと」を選択しない人生を送るだけだ。