静けさのなかに棲むものとは
「大豆田とわ子と三人の元夫」最終話見終えました。
坂元さんの書く家族の話は、いつも少しだけ遅れてわたしの生きる世界を追いかけてきて答え合わせをしてくれるような、不思議な作品です。
出口はもう見つからないんじゃないかと思うような結構な長い期間を戦い抜いたあとに、そのタイミングでしかわからなかったかもしれない回答をひらりと一枚くれるみたいな、そういう感じ。
タイミングって重要。
これがもし恋なら完落ちです。
彼は詐欺師にもなれたんだろう。笑
既視感があるってこともないし、経験からつい斜め上に眺めてしまうような妙齢のわたしにも、新鮮に素直にありがとうと思える言葉が静かに降ってきて、それを拾いそびれないように毎話大事に観ます。
そういうひとがたくさんいるんだろうと思うと、ものすごい才能だなあと思います。
同じく、10話くらいの物語に収めるのって難しいんだろうなとも思います。
言わせたいセリフはたくさんあるだろうし、登場人物の人生は続いていくし。
このままずっと終わらなくてもいいのにな。
サザエさんみたいに終わらない坂元作品も観てみたいです。
燃え尽きるか。笑
感情に日常を引っ掻き回されて、成長しないなあ学習しないなあとあとになればわかるのですが、その渦中にいる自分はそれはもう必死で何かしら訴える訳で、そりゃまあうまくいくわけない。
冷静さと丁寧さと静けさが足りない。
強さって自分の意見をどれだけ言えるかではない。
弱虫が言葉を武器に荒れ狂う。
自分の攻撃性に気づいて、ちょっと愕然とします。
ロックはもう聴かないかもしれない。
ラップも意味がわかるとちょっとキツい。
ああ、歳をとるってこういう事なのか。