#1 此処からが勝負だ 【ラスガノ/climbgrow】
・生意気な音がする
climbgrowに出会ったのはおよそ4年前。
Youtubeから流れてくるその音に、
耳に突き刺さるような、後頭部を殴られるような衝撃があった。
何もかもが不安で
そして幾つもの夜越えて
踏み出せない弱くて
情けない自分が嫌いで
この先が怖くて
でもここで終われなくてさ
だから此処で変わりたくて
一歩目を踏み出したんだ
(ラスガノ/climbgrow)
鼓膜を揺さぶるVo.杉野泰誠の歌声と、
若さとは似つかわしくない卓越した演奏テクニック。
2010年代流行の邦楽ロックシーンでは、もはや稀有な存在となったロックンロールの音がそこには詰まっていた。
僕が初めてその姿を見られたのは、2017年のTOKYOCALLING。
Daisy Barのステージを飛び出し、フロアを威嚇すように牙を剥き出しにして歌う姿は、まさに『成り上がり者』だった。
・出会いと別れの春
そんな彼らが、5月に満を持してビクターからメジャーデビューをする。
Vo.杉野とは幼馴染だったBa.田中仁太が脱退し、新たに立澤賢を加えて。
ライブバンドである彼らにとって、今の状況はまさに逆境でしかない。
それでも彼らは、この向かい風に立ち向かうしかないのである。
此処からが勝負だ。