2023年10月 京都日帰り旅行 再び縁切り神社へ
2023年10月。前回の参拝でご利益を感じられなかったため、再び縁切り神社・安井金比羅宮へ。
木が生い茂っているが、決して不穏な雰囲気ではなかった。むしろ観光客が多く、賑やかだった。
私はまた1人で参拝する。切実だった。同僚からの嫌がらせが止まず、会社を辞めることも考え始めていた。
形代に自分の意志を書く。
「もうこれ以上、職場で軽視されたくない。嫌がらせと縁を切って、楽しく働きたい。気の合う仲間に恵まれますように」
糊をべったりと付けて、碑に貼った。
帰り道。人気のない京都の小道は、意志を固めるのにぴったりだった。これでダメだったら、もうどうしようもない。でも、やれることは全てやった。悔いはない。
暇つぶしがてら、渉成園という庭園に寄る。季節外れのタンポポが咲いていた。どうにもミスマッチだったが、その姿は凛々しく、私を勇気づけた。
黙々と写真を撮り、気を紛らわせた。先のことなど誰にも分からないのに、勝手に不安になっては泣き出しそうになる。私はどうなってしまうのだろうか。
おみくじを読み返す。
石に交り隠るといへど真かゞやく 玉の光はかくれざるらん
宝玉は、腕の良い職人が正しく磨いてこそ光り輝く。人も、良き理解者や先達を得、切磋琢磨してこそ、世の中で輝かしく光り活躍することができる。
正しく評価してくれる人のところへ行け、ということだろうか。
そんなにうまく事が進めば苦労はしない。当時はそう思っていたが、その半年後、転機は訪れる。
転職することになった。会社が経営不振で、リストラの対象になった人たちと一緒に、私も会社を去った。
「協力会社に行ってほしい」
そう上司に言われた時、うれしいような寂しいような、相反する二つの感情を同時に抱いたのを覚えている。
業務の一部を協力会社に移行することになったからそれに伴って転職してほしい、協力会社でその業務を担ってほしい、とのことだった。
嫌がらせは止んだ。嫌がらせをしてきた同僚との縁が切れた。
転職先には、嫌がらせをする人はいない。まだ慣れない部分があり、慌てることが多いが、なんとか日々の仕事をこなせている。
転職時に引っ越しや諸々の手続きをしないといけなくてバタバタしており、気持ちに余裕がなかったが、落ち着いてきた今思う。
この転機こそ、安井金比羅宮のご利益だったのかもしれない。