憧れ

タバコは人より早く初めて人より早く辞めた。
大人に憧れがあった頃、良く通ったバーがあった。
マスターとマダムのいる小さなバー、その頃、カクテルコンペに出ている
バーテンダーがやっている本格的なバーなんて住んでいた町には
珍しすぎた、マスターの話に夢中になった。
この頃の２０００円のチャームチャージは高くて大変だったが、
通い詰めた。
ここでは飲んだこともないバーボンやジッポライターにかっこよく油を補充するやり方、ビリヤード、ダーツのルールも教わった。
初めてボトルキープをしたのもこの店だった、
ボーナスでオールドクロウのバーボンを勧められていれた。
その後、引っ越し行くことがなくなり。１０年ぶりに訪れた際に
お店を探すとまだあった。
マダムが出迎えてくれて席に着くや「ボトルまだありますよ」と「え！オールドクロウですか？」出してくれたのはボーナスでいれた、
オールドクロウ！「まだ、飲めますか？」と聞くと「１杯いただいていいかしら」とちゃんと飲めました。マスターは何年か前に亡くなっていて、
帰りにマダムから「これ最後のひとつだから」とグラスを頂いた。
お店と同じ名前の「45ウイスキー」のグラス。まだ持っていますよ。
マスター！
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