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孫とじぃじの奮闘記【4】

〜大人が置いてきたもの〜

ある日曜日の昼下がり
私と孫2人は息を切らせて
走り回っていた

それには理由がある

『保育園で作った凧で遊びたい』

4歳と3歳の2人の孫の切実な願い

しかし我が家は閑静な住宅街
路面はアスファルト
車どおりも多く 風も安定しない

どうすればいい?

最近の公園などは 球技や凧あげを
禁止しているところも少なくない
私は頭を抱えようとした瞬間
脳裏をよぎった場所

実家だ(笑)

この願いを叶えるべく
2人を車に乗せて実家へと舵を取る

実家は車で20分
近くで良かったホント

到着したら
『ひいばぁば!ひいじぃじ!』と
2人とも久しぶりに逢えて大興奮

さっそく2人は
『たこ!たこ!たこ!たこ!』

気温14℃ 風もそこそこ
この真冬に外で遊ぶには絶好の日
持ってきたタコを取り出し
セッティングし2人に手渡す

『いくよ〜っ!!』

そう宣言した2人は
我々を置いて駆け出した

保育園で1度やったとはいえ
いまいち凧の扱い方が
しっくりきていない様子

私と親父が教えようかと
思案しているうちに
風向きを感じながら
走るスピードを微調整しながら
試行錯誤する2人の姿が目に映る

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コイツ等...すごい...!

少しずつだが 凧と風の扱い方を
その小さな身体で
全身全霊で吸収しているのだ

私は幼い頃の記憶を辿っていた

何度も失敗し何度もチャレンジし
その身をもって学習したことを

我々 つまり大人達は
忘れているのではないだろうか?

予備知識と回避策ばかり覚えて
いつのまにか 頭でっかちになり
その身をもって『学ぶ』ことを

私は しばらく
またもや孫達に教えられたと
感動にふけっていた

そして風が強まると
2人は再び駆け出した

その姿は大人達とは真逆の姿

風に逆らいながら 思うがままに



その刹那...

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転倒〜!!(笑)

泣いて 立ち上がって
それでも めげずに駆け出して

まるで我々が
いつかどこかに置いてきた姿で

転んで立ち上がった後
彼が静かにつぶやいた言葉が
さらに私の男心を熱くさせた

『まだまだぁ〜!』

うん
お前は立派に男の子だ

それでいい

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まいく
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