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街で見かけたデザイン①┃支持スパンをずらした歩道橋階段

街で見かけた名も無きデザインの話です。
狙っているのか分かりませんが、
目に止まり、思わず観察してしまったデザイン(建築や構造物)について、
軽く書き留めておきたいと思います。

今回は歩道橋。

上って、桁を通り過ぎて、180°旋回する歩道橋階段

BTSラチャダムリ駅、以前紹介したAUA Language Centerの目の前のRC造の歩道橋です。
階段を上ると、一度桁を通り過ぎて、
180度回って更に上り、ブリッジに到達します。
あまり見かけないなと思ったのですが、
階段の支持スパンをあえてずらしているのかもしれません。

歩道橋は鉄砲階段を用いるのが一般的だと思います。
その場合、支持スパンは図のL2になります。
構造設計はスパンL2の単純梁として
階段の設計を行います。

桁位置と支持スパンの関係

一方、この歩道橋では、
支持点を階段下側にずらして階段上側をキャンチレバーにしてます。
そうすると単純梁の支持スパンがL1となり、
より短くなることで、より小さい断面での
構造設計が可能になります。

上のキャンチレバー側は、
L1側での断面を延長できる長さに決めれば、
同一になりますね。
180度動線を振るので平面的なスペースが必要になりますが、
階段を華奢に見せたい場合は、
ナイスアイディアだと思います。
ついでに180度旋回させて景観も楽しめますしね。

普通に実務で使えそうなテクニックだと思いました。
階段の設計は奥が深いです。

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