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FC東京vs町田ゼルビア〜できることならできるとこまで〜[明治安田J1リーグ第2節]

ホーム開幕戦は町田ゼルビアを迎え撃つ。ダービー感はまだ薄いけど、同じ東京同士。強い気持ちで。え?多摩ダービー?

メンバー

・FC東京
開幕戦と同じ11人でスタート。ベンチでは常盤と小柏に代わって木本と橋本がメンバー入り。青赤のNo.18が遂に帰ってきた。

・町田ゼルビア
開幕戦で負傷交代した菊池に代わりドレシェヴィッチがスタメン。岡村は無事。

前半

立ち上がりにボールを保持したFC東京は右サイドからの前進に拘る。

右CBの土肥が大外に立ち4バック化。中盤は高がアンカーポジション、小泉が右IHとなり、GKと森重、岡の5人で中央の保持を作っていく。土肥がサイドに開く分、WBの白井は内側に絞り、仲川と内側レーンを共有。基本は仲川が手前で白井がライン間。

FC東京の保持

GKの野澤のところまでオセフンのプレスを呼び込み、中盤の高と小泉を経由して森重まで届けて前進する。町田はCHの白崎とCHまで出てくるが、相手を背負っている高と小泉に対しても逃げずにボールを渡し続けた。ここら辺、大志は全くビビらない。偉い。

前進のパターンとしては森重の方に相馬の矢印を向けさせて、森重→土肥のパスで相馬を超え、中山をサイドの対応につり出していく形が理想的。この形で進めれば、前線の選手がスペースがある環境でボールを受け取ることができる。32:30なんかがそう。

32:30

ただ、オセフンを外されても、相馬は撤退して土肥の方に矢印が向いていたので、この形をあまり作ることができず。ボールを運ぶことはできても、ラインを超えることはできなかった。

そのため、敵陣へ侵入したら、セットされた町田のブロックをどう崩しますか?という展開。ただ、最後の崩しのデザインまでは手がついていないような感じ。加えて、サイドを単独で突破できる選手もいない、岡村やドレシェヴィッチが待ち構える中でゴール前で何とかしてくれるターゲットもいないので、高い位置まで進んでも、詰まって後ろに戻してやり直しの展開が繰り返された。

FC東京の前線のキャラクターを考えると、スペースがある環境でボールを送り届けたい。この試合で言うと、右サイドに人数をかけて保持を確立していたので、逆に左にはスペースがある。

そのため、右で作って町田を集めて、左のヒアンと俵積田まで届けたいが、そのヒアンと俵積田の関係が繋がっていない。

5:30

ヒアンに対して、俵積田の位置が高すぎたり、近すぎたり。上の5:30の場面では図の○の辺りにいて欲しい。ここにいれば、ヒアンから落としを受けてから自分が仕掛けたり、背後へのパスでヒアンが抜け出したりといった連携を作ることができる。

ちょうど最近、ブライトンの三笘が決めたゴール。この距離感でヒアンに繋がりたい。

俵積田は今年から初めて内側でのプレーに取り組み始めたばかりなので。これからできることどんどん増やしていきましょう。

一方で被保持。5-2-3でミドルセットが初期設定。CBの岡村にはそこまで強く出ていかずに、ヒアンとCHで中央を消してコースを限定。そこから左右の昌子とドレシェヴィッチへの横パスをスイッチにプレスを開始する。

スイッチが入れば、シャドーの俵積田と仲川がドレシェヴィッチと昌子へ、WBの長友と白井が望月と中山まで連動してプレスに出ていく。特に長友はどこまでも望月についていく筋肉守備。

町田は試合立ち上がりに2度、その望月が高めの位置を取り、スピードと高さで勝負をかけたが、長友がどちらも対応。15歳差でも全く負けてません。

それ以降の望月は低めの立ち位置で長友をつり出し、その背後を西村やオセフンが狙っていくが、こちらも岡と森重が上手く対応。森重はオセフンにちょっかいをかけてカードも誘発。こっちのおじさんも全く負けてません。

町田の攻撃陣でもっとも脅威となったのは左の相馬。シャドーの位置から大外に開いて1vs1を挑んでいく。

FC東京としては相馬に気持ち良くドリブルをさせすぎてしまった印象。白井にしても、土肥にしても質では相馬の方が上回っていた。その中で誰が助けにいくのかが不明瞭。

46:00

アディショナルタイムには土肥との1on1を制した相馬のクロスから決定機を迎えるが野澤が何とか掻き出す。相馬からクロスは上がってくるがゴール前は帰陣も早くしっかりと跳ね返すことができており、危ない場面はこれくらい。スコアレスでハーフタイムへ。

ハーフタイム

0ー0で前半終了。被保持ではゴール前の安定感と連動したプレスでチャンスを作らせず。保持では相手を動かしながらボールを進めるまではできていた。

ただ、町田側からしても上手くはいっていないが問題があるとも捉えていないよう。このまま進めてどこかで1点とればOKって感じ。そういうチームでしょう、彼らは。

後半

ハーフタイムでは両チームとも交代なし。ただ、町田は開始早々に赤いカードを掴みかけてたオセフンと藤尾を交代。ほとんど懲罰。

後半は俵積田が左で幅取り役になるFC東京。ミドルセット色が強くなった町田に対して、横方向にボールを動かしながら、大外で俵積田に勝負を挑ませる。ただ、俵積田が大外にいることでヒアンは中央でより一層孤立状態となる。

仲川は2トップ気味にヒアンに近づいても良かったと思う。58:40の場面が理想的。ヒアンと仲川が近い距離で繋がり、岡の縦パスを受けて中央から突破。ヒアンが抜け出してドレシェヴィッチにカードを誘発した。

右の大外と内側レーンを取る人は土肥、白井、小泉と3人いるため、大きくバランスが崩れることもない。この場面は瞬間的に繋がったが、これをもっと狙って作り出したかった。

64分にFC東京は選手交代。白井とヒアンに代わり安斎と佐藤と投入する。ヒアンがベンチに下がり、ロングボールの的を失ったFC東京は左サイドの深い位置に蹴っ飛ばして、元気な佐藤が追いかけてボールを進めていく。そして大外で俵積田がドリブル勝負。

ヒアン不在でクロスのターゲットがいない中で町田を押し込んだ状況からゴールが生まれるかと言われると疑問符。理想を言えば相手を引き出して、スペースをアタッカーに提供したいが、それが今のFC東京にできるのかと言われるとこちらも疑問符。ここは難しい部分ではある。

ただ繋ぐことにトライして失敗して失点ってなるよりかは、まずは深い位置にボールを送る戦い方は現実的。俺は支持します。

69分に町田はスローインからチャンス到来。得意のロングスローと見せかけて、近くの白崎に繋ぎ、スローワーの相馬と共に仲川に2vs1。縦に突破した相馬がサイドをえぐりクロスを送る。

前半からロングスロー時にセカンドから受けた相馬を仲川1人で守っていたが、ここでは近くで繋がれて2vs1を作られた。キレキレの相馬を仲川で1人で止められる訳がないのだが、誰も助けに行かない。もはやダブルチームで守るという発想がないのかもしれない。

選手を入れ替えながらも得点の気配がしない両チームだったが、前にでたのは町田ゼルビア。一瞬の隙をついて抜け出した中山のクロスに西村が合わせる。

本当に一瞬の隙。誰がというよりも全員がちょっとずつズレた。その一瞬で抜け出して、あのタイミングで絶妙なクロスをあげた中山があっぱれ。もう1タッチ持ち出していたら森重はクリアできた。それに合わせた西村も見事。

失点直後にFC東京は仲川と小泉に代えてエヴェルトンと橋本拳人を投入。青赤のNo.18が遂に帰ってきた。

その橋本の91分のプレーは見事。最後尾で野澤から受けてハーフウェーラインまで持ち運ぶ。CHの前に向かって進み、前の足を止めて右サイドへ展開。そしてゴール前まで侵入していく。スケールの大きさを見せた。

ラストプレーでエヴェルトンがゴールを狙うがGKの正面に収まり試合終了。これが唯一の枠内シュートでしたとさ。

おわりに

ホーム開幕戦は黒星スタート。せめて引き分けには持ち込めた試合だが、町田の強さが上回った。開幕戦で横浜FC相手にやったことをそっくりやり返された。これがサッカーです。

それでもサッカーの中身では進んでいることは明らか。あとはどうゴールを取るかっていう部分。ここはヒアンのコンディションだったり、怪我人の復帰とともに高めていくでしょう。

いきなり全局面で完成するはずがないので、今取り組んでいることをしっかりと一歩づつ。できることならできるとこまで。やっていきましょう。

試合結果
2025.2.22
FC東京 0-1 FC町田ゼルビア
味の素スタジアム

【得点】
FC町田ゼルビア
 82' 西村拓真

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