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「生きがい」や「腹八分目」がアメリカで大真面目に使われる:海外で再発見される日本語の深み

「カラオケ」や「スシ」といった日本語がそのまま海外で使われていることは多くの人が知っているでしょう。しかし、ビジネスの現場で真剣に用いられている日本語の中には、元の意味から少しずれているものや、むしろ日本語以上に深い意味で理解されている言葉があることをご存じでしょうか。今日は、アメリカに住む中で感じた、ちょっと驚くような事例についてご紹介します。

最も有名なのは「カイゼン(Kaizen)」でしょう。1980年代に日本の経営手法として広まったこの言葉は、今でもビジネスの世界で「継続的改善」の手法として根強く用いられています。トヨタが世界に誇る生産管理の概念が、ビジネス理論として多くの企業に浸透しているのは興味深い事実です。そして「もったいない(Mottainai)」。環境保護運動のスローガンとして使われ、「リデュース、リユース、リサイクル」の精神を体現する言葉として定着しています。日本でも物を大切にする文化は根強いですが、アメリカでの使われ方は社会運動的なニュアンスが強調されているように感じます。

さらに、私がこちらで聞いて思わず驚いたのは「生きがい(Ikigai)」という言葉です。「生きがい」は、自己実現やキャリアの成功、情熱を注げる仕事を探すことに関連付けて語られています。ビジネススクールのプログラムオフィスのスピーチで、突然「イキガイ」という言葉が出てきたときは耳を疑いました。それは日本文化と関係のない文脈でしたので、ますますこれほどまでに広がっていることに驚きを隠せませんでした。また、地元のハンドメイドマーケットで「イキガイ」という名前のグループを見かけたときも、アメリカでの認知度の高さを実感しました。

少しクスリと笑ってしまったのは「腹八分目」です。「イキガイ」や「カイゼン」と同じくらい真面目に語られるこの言葉は、日本では小学生が習うような素朴な教訓の一つです。それが健康的な生活習慣や節度を持ったライフスタイルの象徴として扱われているのを見ると、日本人としてはなんとなく違和感を覚えましたが、その取り入れ方には感心させられました。

こうしてアメリカで日本の言葉に思いがけず出会うたびに、自分が気づかなかった新しい意味や解釈を学ぶ楽しさを感じます。それはちょっとしたサプライズであり、日本文化の価値が異なる形で受け入れられているのだと改めて実感できる瞬間です。

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