メリークリスマスと言わないで:日本では気づかなかった多様性の影響
日本では12月に入ると、街はクリスマス一色に染まり、「メリークリスマス!」という挨拶があふれますね。クリスマスケーキが華やかに並び、イルミネーションが街全体を楽しげな雰囲気で彩ります。アメリカでも、NYなどのイルミネーションや大規模なパレードなどが有名なので、みんながクリスマスをお祝いするようなイメージをなんとなく、持っていました。
アメリカの今の地域に住んで最初に驚いたのは、クリスマスの時期に「メリークリスマス!」と言わないことです。特に学校や職場など、人が集まる場では「Happy Holidays!」と表現するのが一般的で、企業の広告でも宗教色のない言葉遣いが配慮されています。アメリカは多様な文化や宗教が共存する国なので、全員がクリスマスを祝うわけではありません。そのため、包括的な表現を使うことが重要とされているのです。
そもそもクリスマスはキリスト教の祝祭であり、ユダヤ教では同じ時期にHanukkah(ハヌカ)が祝われ、アフリカ系アメリカ人の文化ではKwanzaa(クワンザ)というお祝いがあります。こうした背景があるため、すべての人に敬意を払うために「Happy Holidays!」が広く使われているのです。特にオバマ大統領の時代から、このような言葉遣いが公の場で増えたと言われています。(一方で、トランプ大統領の時代には「Merry Christmas!」を強調する動きも見られたそうです。今日まさにトランプ大統領が再度誕生しました。これから4年で文化面でもどう変わるのかは気になりますね)
アメリカでも、イルミネーションや大規模なパレードは魅力的ですが、その背景にある多様性への配慮を知ると、日本との違いが一層興味深く感じられます。
*この記事によると、3割の人がHappy Holidays派とのこと(こちらの記事)。ただしこれは2018年の記事なので、ここから5年以上たちもう少し進展しているかもしれません。
*また地域ごとのHappy HolidaysまたはMerry Christmasのどちらがメジャーかを示したマップも面白い参考資料です(こちら)。私がいる場所はばっちりHappy Holidays色でした。
私のいる地域は海外出身の留学生や研究者も多いこともあってか、メリークリスマスという挨拶を聞いたことがないので、地域にもかなりよるかと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?