今君はどの辺だろう
今君はどの辺だろう。
昨年の今ごろは、もう覚悟していた。
毎日、仕事に行く車の中で「一緒に迎える最後の冬」と泣いていたっけ。
出会いは11年前。
知り合いのブリーダーから3回目の正直で譲り受けた特別な子が君だった。
落ち着いていて、子供なのに可愛いというより尊いという存在だった君。
永遠だと…少しも疑わず、異変には気づけなかった。
道に面した腰高窓の桟に乗っていたのに、ダイニングテーブルで必ずちょうだいをしていたのに…それが無くなっていたと、今になってみれば思う。うずくまって