ワーママは日本の「レアキャラ(キラカード)」だった。
おはようございます!
今、グレッグ・マキューンの「エッセンシャル思考」をワーママ流に実践してみたらどうなるか?
というKindle本4冊目を(懲りずに)書いているのですが、
そこで面白いことに気が付きました。
日本においては、数字上のフルタイムワーママは、日本に5%以下しか存在しないレアキャラだということです。
ざっくり、数字をひっぱってきてみると・・・
厚生労働省の令和4年(2022年)調査によると、3096万人の女性雇用者総数に占める「正規職員」の割合は46.6%。パートが少し多いものの、フルタイム勤務が約半数です。
(https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/josei-jitsujo/dl/22-01.pdf)
令和5年(2023年)の厚生労働省の調査では、18歳未満の子どもと母親がいる世帯は推計で927万4000世帯あり、このうち母親が働いている世帯は721万2000世帯(77.8%)。
18歳未満の子どもがいる世帯でだいたい8割の母親が働いている、ということです。
子育て中のママさんの7割は非正規雇用(パート)。これはなんとなくイメージできますよね。
女性学の研究者により、近代においては母親がパートに切り替えたり、不景気になると仕事をやめたりして、うまい具合に「雇用の調整弁」になっていた、というのはすでに語られているところです。
急激な少子化と超高齢化が進んでいる中、大事な人口の半分のカテゴリの労働者に、調整とかさせてる場合じゃねーだろ!と思いますけれども。
このいわゆる「ワーママ」のうち、フルタイム(正規雇用)が3割という調査結果に基づくと、
だいたい210万世帯が「フルタイムワーママ」、日本における全世帯数(5621万世帯)の4%弱、女性人口(6481万人)においては3.3%と、いずれにせよ超マイノリティな存在なのです。
(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240709/k10014505591000.html)
え!?
こんなに少ないの!??
私の読み方が間違っているのだろうか・・・!?と目を疑いました。
レアな存在だからろくな支援がないのか・・・?
統計学の専門家がいたら、間違っている!もっと数字は多いよ!と逆に指摘してほしいのですが。
自営業やフリーランスなど入れるともう少し「実質フルタイム」が多くなるかもしれませんが、おそらく労働人口総数に入ってますよね。
この数字を見て、皆さんどう思われますでしょうか。
私は、正直、びっくりしました。
業界的にフルタイムワーママがまわりに「そこそこ」いるので、そこまでレアキャラという自覚がなかったのです。
そもそも労働人口が若年層において減っている(高齢者で増えている)というのはじわじわ少子化なんだな、と思いますが
フルタイムワーママがここまで社会の「レアキャラ(カードでいうとキラカード)」である、ということがそもそも驚きです。
だから、政府も特段この日本におけるもっともブラックなフルタイムワーママという層について、気にしないわけですね。
それどころか、扶養控除だの、103万の壁の話ばかりしている。
フルタイムで800万を超えるワーママなんて、これからさらに肉体的な負担だけではなく金銭的な負担が増えそうで、本当に怒りが湧いてきます。
リアル山上憶良か!?
そして、そもそも賞与を除く年収800万円で「高所得者」とか言っている日本が心配で仕方がないのですが、都心で年収800万で子持ちだと満足な生活、できないのですよ。(アメリカだったら1500万円でも実感としては低所得者だと思います)。
(ワーママは基本、貧窮問答歌です、という記事を以前書きました↑)
インフレで年金が足りない~と言っているおじいちゃんおばあちゃんのみなさま、「DIE WITH ZERO」読みましたか?
本当のところ「これまでわたしたち、がんばったから!」という理由で、自分の世代「だけ」は、逃げきろうとしてませんか?
少なくとも、今働いている20-40代は、「これまで30年停滞していたけど、ちょっと景気よくなってからいいよね?」という感じで図々しい高齢者層に対して、不満でいっぱいだと思います。
家も買えなくなり、子供も持てなくなり、インフレで生活は苦しくなる一方なのに。
私は、消費税15%とか20%という数字の方がまだリアリティがある気がしています。
もちろん、消費低迷するのでそちらも問題でしょうが・・・。
ワーママもフルタイムワーママも、レアであってはいけない。
こちらは正確な統計がないのですが、住み込みヘルパーという強い味方がいる香港だと、だいたい半数の女性が就労しており、イメージ8割の女性がフルタイムでした。
日本と逆です。
すでに半分近い税金を払っているのに、さらに高所得者から税金を奪って年金として補充しようとしている政府。
金と時間のトレードオフである子育て女性においては、働いてキャリアを積んで稼ぐインセンティブ、これでは、ほぼないですね。
むしろ、子供を2人欲しくても1人にするとか、もしくはいらないという選択肢を取る人が増えそうです。ということで、より少子化が加速しますね。
特に、死ぬほどがんばって1000万以上稼いでいる女性のモチベーションは著しく低下しますが、200万ー800万くらいの大多数の女性だってやる気をなくします。
何ために、ろくな支援もないブラック産業(ワーママ)で働く必要あるの?
子供のためじゃなくて、国や高齢者に貢ぐため?
と思うのはまともな神経です。
すでにレアキャラなフルタイムワーママ、もっとレアキャラになるのでは、と心配です。
香港にいたときは、税率10-15%くらいだったのと、自分で税金を納めるシステムだったので、働く気力もありましたし、ヘルパーが仕事以外の雑務を全部やってくれるので、快適でした。
この数字と、さらなる税金の負担増を見て、私は海外で働きたい、と改めて思うようになりました。
さらに、日本の将来も移民を入れないと、未来がないな、と思っています。
働く男性もそうですが、家事や育児負担を実質6ー8割になっている女性にとっては、子供を持つことも難しくなりますし、フルタイムで稼ぎ続けることももっともっと難しくなります。
日本の政治家の人、海外の成功例、検討したことありますか?
日本のフルタイムワーママを、このまま「レアキャラ」にしないでほしいです。
働く能力もやる気もあるのに、ぶらさがる人ばかりが増え、かといってろくに使える支援がありません。
わたしたちは、野心を抱いて、子供に背中を見せられるのか?
希少種フルタイムワーママとして思うのは、「どれだけの日本の女性が、正規雇用を続けながら、子供を持ち、働き続けたいと思うだろうか」ということです。
過大すぎる家事育児の負担をこなしながら、長時間労働と決して柔軟とは言えない勤務体系がまだまだ続く中で、
子どもを持つ幸せと、負担を天秤にかけて、野心を抱き続けられるワーママ同志がどれくらい存在しつづけるのか。
子どもに一生懸命働く姿を見せることと、
子どもと寄り添って、常に安心感を与えること、
私が今20代なら、後者(パート)を選んでしまう気がします。
私だって、海に飛び込む仲間は増えてほしいのですが、男性だって「おれたちだって、余裕ねえよ」と、世代間でも、階層間でも、男女関係なくみんなピリピリしています。
(Xをちょっと覗いてみればすぐに分かりますよね)
ブラックすぎるフルタイムワーママの世界が少しでも良いものになる選択肢は、今の私には「移民ヘルパー」以外に思いつきません。
頑張っているレアキャラな存在について、もっと考えてほしいと思います。
フルタイムワーママに未来はあるのか・・・・?
という、ちょっと真面目な記事でした。