【設備設計】内製図面と外注図面の適切な比率は?
自動車会社では内製図面と承認図という2つの図面がある。内製図は文字通り自社で作図する図面だ。寸法や材質などをすべて自社で指定する。自社で保有している大型プレスや鋳物設備で作る部品や、ゴムホースやチューブなど、他部品との調整が必要な部品が内製図で描かれることが多い。
承認図というのは自動車会社が要求性能や大まかな形状を指定して、協力メーカーに描いてもらい、それを承認するというステップを踏む図面のこと。専門性の高いアブソーバーやエアコン、ブレーキなどのユニット部品などが承認図の形態で作成されることが多い。
自動車だと内製図面:承認図の枚数比率は8:2くらいのイメージだ。金額ベースでいうと9:1くらいかもしれない。そう、自動車会社本体ではあまり図面を書かない。年々その比率は上がっているし、今ではシステムサプライヤーといって、要求性能すら設計してくれるところもある。
自社の社員は何をやっているかというと、その日程管理だったり、チェックが主だったりする。設備設計でも、協力メーカーさんに書いてもらうという選択肢もあるし、そちらの方が楽だったりもする。
ただ、自社にやれる人がいて、他社に任せている状態と自社でやれないから他社に任せている状態はやる事は同じでも微妙に結果が違ってくる。自社でやれないと、検証ができないからだ。自分の考えをもって相手に任せると、自分の考えとの違いが論点になり検証ができるが、考えがないと相手の提案を鵜呑みにするしかない。
今の現状が8:2だが、長い目で見れば、最初は自社でやっていた部品を徐々に他社に任せていった経緯がある。自社でやれるようになる→他社に任せる。というステップを踏んできたのだ。その結果として今があるのだが、その環境が出来てから入ってくるのが今からの新入社員でありZ世代だったりする。
過去の事例が豊富で、ノウハウもあるのだが、自分がやるしかないという環境だったり、マインドが育ちにくい負の側面もあると思う。そして今は人工が減っていく世の中。やれる人を探すのに苦労するのだ。やらせる人よりもやれる人の方が価値が上がっていく時代がすぐそこまで迫ってきている。任せる比率は変わらないけれど、いざとなったらやれるようにしておくことが大切なんだと思う。