あの日呑んだ酒の適量を僕はまだ知らない
『大丈夫ですか??!お姉さん大丈夫ですか???!!』
トイレの個室を叩きながら叫んだ。
急に倒れる、気づいたら寝てる、携帯を失くしかける、携帯を割る、お酒大好きだけど、高確率の割合で周りに心配と迷惑をかけるタイプな酔っぱらい。それが私。
そんな人間がまさか、人助けできるなんて思ってもいなかった。
「...大丈夫大丈夫...大丈夫だから」
小さい声が聞こえた。
そもそも個室が2つあるトイレからでてきた所を、順番待ちしていた女性に声をかけられた。
「こっちのトイレ、下の隙間からファーが見えるんですけど、倒れてますかね?大丈夫かな?」
そして冒頭に戻る。
気づいたらさっきまで入ってたトイレの配管とか色々踏み台にして、上から覗いて(上側が開いてるタイプのトイレ)お姉さんの安否確認をしていた。
扉にもたれ掛かるようにトイレで倒れてたお姉さん。
『ドア開けられる~~??』
無理だよなって思いつつ問いかける。
無理、誰も入って来ないでといいつつ、倒れたまま左手をスゥッて挙げてくれたお姉さん。
せめて鍵が開けばなあって思って、
『何か棒を!!!棒的な何かを!!!』
懇願。
しばらくして、ほうきと共に現れるお姉さんの彼氏。
すみませんってぺこぺこする彼氏に、良く来た!!と思いつつ、遅ッッッッッ!!!って思った。(ごめん)
ちなみに、この時点でまあまあな酔っぱらいな私。
声をかけてきた女性と一緒に、彼氏をお姉さんの元へ。空いてる個室のさっきまで私が踏み台にしていた配管とかを同じように踏み台にさせ、後ろから2人で上げる、押す。
「無理無理...」
弱気な彼氏を、大丈夫だから!行けるから!とゴリ押しで、文字通り押す。
無事お姉さんの所までたどり着けた彼氏を見届け
『あっ、トイレ...どうぞ...』
謎にコミ障を発症させつつ、女性にトイレをゆずる。
「遅いからあんたが倒れてるのかと思ったよ~~~」
と母。(わかるわ~~)
経緯を説明しつつ近くの居酒屋に移動したはいいけど、他人事には思えないし心配でいてもたってもいられなくて走ってさっきの場所に戻る。
途中で飲み物を購入しに自販機へ。
コーヒー、水の並びの水を購入。
手違いでコーヒーを購入(した気が)して、再度水を購入。
取り出し口には2本の水。
困惑する私(酔っぱらい)
『これ!水のんでください!』
とりあえず彼氏に渡して、
周りにいた他の人達と(その日雨だったから)屋根のある場所に移動させて、タクシーを待った。
『私!全然他人なんですけど、他人事とは思えなくて...とりあえず、お姉さんが無事でよかったよ~~~!!』
と突然語り泣く私(酔っぱらい)
「ね、私も知らない人ですけど、無事でよかったですよね。って泣かないで」
となだめられる。
何をしているんでしょうか私は。
無事タクシーに乗り、忘れ物チェックして見送り。
『本当無事でよかったよ~~~。今度は元気な時に呑もうね』
元気に手を振る私(酔っぱらい)
ちなみに、お姉さんと一緒に呑んではいない。怖い話かな?
『いやあ、私もついに人助けをしちゃったよ~』
ヘラヘラしつつドヤりつつ、最後までを母に説明。
ちなみに、タクシーを見送ってから母と合流する間に、
走ったらジャケットのポケットからスマホを落としてスマホの裏側が割れました。
でも、裏側だし全然平気。
数ヶ月経った今でも割れたままなのは置いておいて、全然平気。
お酒は楽しくおいしく飲みたいよね。
そうは言っても体調とかメンタルとか悪いとダメだし、そもそも体質とか合う合わないとかあるからなんとも言えないけど。
適量が未だになんなのかよく分からないからなんとも言えないけど。
適量を知らない私は今日も今日とて元気に飲みに行くんですけどね。
楽しくおいしく。
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