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人はだれかに似てたり似てなかったり

エッセイストへの道のりは長く険しい。

だが、千里の道も一歩から。腕試しの一環として、とあるエッセイコンテストに応募することに。

郵送オンリーということで、プリントアウトやら封筒の用意やらでわちゃわちゃしながらも、ようやく発送の準備ができた。いざ郵便局へ!


郵便局に着くと、すぐに窓口に案内された。
担当してくれたのは、優しそうな40代くらいの男性。


なんか……錦鯉の渡辺さんに似てる……。


マスクしてるからそう思ったのかも。こういうのって、マスクはずしたら意外と似てないんだよね。
名札が見えた。さすがに名札はノーマスク、お顔が丸見えだぜ。


マスクはずしても似てるんだけど。


元気よく「こーんにーちはー!」って言ったら「うるせーな!」って返してくれるかな?
いや、きっと「あっ、はい、こんにちは〜」と少しはにかんだ笑顔で返してくるタイプの人だ。真面目な人のオーラ的なものがあるから、仕事中にそんなキレのある返しはできまい。こっちの渡辺さんはきっとそうだ。知らんけど。初対面だし。

こっちの渡辺さん(名札を見たのに顔に気を取られすぎて名前がわからない)の接客と顔に満足し、家に帰った。


僕は(芸能人の)だれかに似てると言われたことがあまりない。
せいぜい体操の橋本大輝選手か、「Share The World」のPVで遠くから近づいてくるとき(「カモンレツゴーエービーバーディー」のところ)の東方神起のユンホくらいのものだ。

後者に関しては、大学時代の髪型とか服装とかを含めての評価だし、なにより大学の飲み会中に「めっちゃ似てる!」と盛り上がったケースなので、話半分で受け止めていただきたい。


それにしても、赤の他人同士が似ているというのは、よくよく考えてみると不思議な話だ。
血のつながった親子やきょうだいですら似ないことも多いのに、なぜ縁もゆかりもない人に似るのだろう。

そして、だれにも似てない人がいるのもなぜだろう。
いや、だれにも似てないわけではないんだ、きっと。「友達の妹の旦那さんの上司にクリソツ」みたいなことがあるはず。
だけど、似てることを共有できなければ、結局のところだれにも似てないことになる。

だれに似てると言われて傷つく人も多いと思う。一方で、だれに似てるとも言われたことのないほうが、ある意味見た目で損してるのかもしれない。レーズンパンみたいに。

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